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3話

摩天楼から乗り出したロボットとマキコ。

 外壁に張り付いた2人の背中へ突風がたびたび吹き抜ける。

 

「歯ぁ食い縛れよ! あそこの棒まで登るんだ!」


 上を指差すマキコ。

 遙か上空の彼方、霧で霞んでいるがロボットの目にはよく見えている。

 パイプが1本だけ飛び出ていた。

 

「あそこまで登れば脱出できる!」


 そういうとマキコは頭上のへりへと腕の力を頼りに飛び移った。

 その瞬間、突風が吹き荒れて手を滑らせる。


「ぬわっ?!」


 落下していくマキコ。

 元いた部屋の隣の窓から垂れたロープがマキコを繋ぎ止めていた。


「くっそー! また振り出しに戻った!」


 そういうと軽い身のこなしでひょいひょいと外壁をよじ登り、ロボットの元まで戻ってきた。

 

「ダメだこりゃ、今日風強いわー」


 マキコは片手で髪の毛をいじっている。

 そうして再びマキコは頭上のヘリへ飛び移った。

 また突風。

 今度は落ちる前にロボットが手を差し出す。

 

—手を掴む音


「あっぶねー! ありがとうお前いなかったらまた振り出しだったよ」


 ロボットはマキコを引き上げた。

 その瞬間、頭の中にアナウンスが走る。


「感謝を検知しました。任意の機能が解放可能」


 頭に埋め込まれたCPUに億通りの可能性が広がっていく。

 

「この人間のために、外壁を登ってあの出っ張りまで行きたいです」


 ロボットはそう願った。

 

「機能解放、接着」


 アナウンスと共にロボットの指先から極小の針が無数に飛び出した。

 壁に手を合わせると引っ付くことができた。


「え! きも! なんで何も突起がない壁に張り付けてんの?!」


 マキコはジロジロとロボットを見た。


「あぁ、粘着メカね。メカ好きなんだ、あんた」


 そういう時マキコはロボットの背中に移動した。


「それいけ!! 上までいけー!」


 ロボットは言われるがままよじ登って行く。

 

 

 すんなり登れたので、およそ10分ほどで目的地まで着くことができた。


「あんた、体力お化けね…流石に私でも負けそう」

 

 そう言いながらマキコは出っ張りにロープを巻きつけていく。

 そして自分とロボットにもロープを巻きつけた。


「行くよ。しっかり捕まってな」


 するとマキコは勢いよく空中に飛び出し、足を外壁に向けて揃えた。

 マキコは窓に向かって足で鐘撞きをしようとしているのだ。


—ガラスの割れる音


 勢いが加速して窓に当たった瞬間、窓は大破して、摩天楼の中へと2人は転がり込んだ。


「ふはー! 気持ちいいな! な!」


 キラキラ目を輝かせている。


「なんか喋れよっ!」


 バシバシとロボットを叩くマキコ。


「まぁいいわ、ワタシ部屋戻るから」


 ロボットはついて行くことにした。


「え、なに、付いてくんの? キモいんですけど」


 ロボットは会話のデータベースがなかった。

 頭の中にアナウンスが流れる。

「デフォルト機能です。言語データベースに感情データと振動データを同期させています…完了しました」


 口が動く。


「オレ、どこにいけばいいかわからない」

「あんたはB棟の問題児でしょ」

「なんだそれは」

「荒くれナッツだよ」


 そんな名称はデータにない。


「わからない」

「とぼけんな! お仕置き部屋にぶちこまれるなんてワタシかあんたぐらいだから間違いないね」


 会話をしながら歪な階段を降りる。

 ここの階段は校内の左端にある「究明の階段」だ。

 実験室棟と学生が住むA棟に続いている。

 先ほど見た案内図に書かれていた。

 

「今日夜遅いからワタシの棟来てもいいけど、先生に見つかったら手助けしないから」


 マキコは大きな扉に手をかざした。

 すると大きな音を立てて扉のギアが周り出し、縦横に扉が開いた。

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