2話
「お前はここに入ってろ!」
「2日間監禁だ。せいぜい今までの分を取り返せよクソガキ」
捕まった後、ロボットは大きく複雑な建物に連れて行かれた。
その建物からは色々な光やネオンが輝きを放っている。
裏路地からその建物に入ると、地下に連れて行かれ、ある一室に閉じ込められた。
幾度にも壁が折り重なり、扉には禁止マークが表示されている。
厳重にロックされてしまい、出る隙もない。
部屋の中には光る鉄板が多数置いてある。
一枚を拾い上げた。
その鉄板からは文字が光って浮かんでいる。
こちらの世界の言語だ。
つまり、この鉄板は書籍らしい。
鉄板に目を通すと、頭の中からアナウンスが流れる。
「規則的な記号データの認識に成功。言語と推測。インプット開始」
続けてアナウンスが流れる。
「識字率10%、22%、67%、81%、99%…」
—CPUが回る音
「言語の読解を有効化しました」
目の前に広がる記号は文字として頭の中に入り込んでくる。
その後、ロボットはその部屋のすべての書籍をインプットした。
結果、この世界のことについて判明したことがある。
まずこの世界は人間の機械化が進んだ世界だということ。
16歳になると、人間1人1人、それぞれに適した体の一部が機械化される。
そんな彼らを「オートメイト」という。
また、オートメイトは機械化した部位により部族が分けられることも学んだ。
両腕を機械化されたベルトウデ族、眼球を機械化されたネジメ族などだ。
それぞれ向いている職業や特徴があることも学んだ。
この世界のことを学んだ後、机の上に置かれた大きな鉄板に目を向ける。
これが最後の書籍だ。
書籍の見出しには
「学園規則〜新規入学者用〜」
と書かれていた。
早速インプットを開始する。
—CPUが回る音
インプットの結果が出力された。
今いるここはトーキョー・オートメイト学園と言われる学校組織だということ。
5年生まであるということ。
1年生は進級前、適正に準じたオートメイトになること。
などなど、多くの規則や基礎情報が記載されていた。
地下にいるはずだが、丸い窓があるのに気づく。
窓の外には高層ビルが乱立していて、空飛ぶ車「ホバーカー」がちらほら飛んでいる。
今いるここは地下ではない。摩天楼の中間だった。
窓の下を覗いた。
地面の底がわからないほど高い場所にいるようだ。
—鉄板を歩く音
「あ! あんた問題の新入生じゃん!」
窓の外、建物の外壁に巻き髪で2つ結びをした女性が張り付いている。
彼女の束ねた髪は風に吹かれている。
「私ね、マキコっていうの! あんた! ちょっと手貸して!」
ロボットはじっと彼女を見つめている。
「何つっ立ってんのよ! ほら、あんたもお仕置き部屋から脱出したいでしょ!」
彼女は上から垂れたロープを片手で掴み、反対の手を差し出してくる。
「掴めっ! ほら!」
ロボットは命令されたので手を掴んだ。