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第五十七話:復活のアリス

やっと長女が復活しました。大人の女性はスレンダーなのが好きです。

 さて、焼き鳥と化粧品でお金が貯まったので、アリスのパペットボディを作り直す事に。作り直すに当たって、マッチョにするとアリスが可哀想な気がする。かと言って戦闘力が無いとそれはそれでアリスが可哀想。


 という事でまずは小型化する事に。ゴツい体型よりはコンパクトな方が良いだろうし。パワーは肉体の強度というか素材を強くする事でなんとでもなるそう。


 これはアミタが開発してくれた。いつの間に? とか思ったんだが、実は割と最初の方に出来ていたらしい。正確には開発したのは家の補強材としてとかなんだがそれを流用出来るって訳だ。


 材料となる魔獣はアスカが狩って来てくれた。必要だとわかってから文字通り飛ぶように行ってきたのでありがたい。


 という訳で材料をこっちで用意してのパペット作成って事で安くなるかなと思ってたんだけど、割と特殊なパペットになるからそれをシステムに組み込む為の手間がかかるとかで料金はトントン。金の問題じゃないけど節約出来るに越したことはないからなあ。


 そんな訳で出来上がったのは低身長、緑髪、可愛い系のロリなやつ。年齢的には小学校高学年くらいと思ってもらえれば。


 参考までにアミタは爆乳中学生のメスガキ。アスカはそれより少し背が高い。おっぱいはアミタより小さめだけどそれでもそこそこある。巨乳に属するぐらい。アインは……PAD長と呼ばないであげてください。時を止めてナイフ投げられても困るので。


 アリスの身体は平坦な草原のような胸だ。これは神経伝達を少しでも効率良くしようと回路の道筋を簡略化したからだ。少しの膨らみはあるが、巨乳にすると効率が落ちるんだよ。


 という訳で起動! さあ、目覚めるがいい、アリス! アリスの目がゆっくりと開かれて呆然とぼくを見つめた。


 「あれ? ご主人様?」

 「そうだ。おはよう、アリス」

 「おはようございます? ええと、ここはどこでしょうか?」

 「ここは家だよ。アリスはぼくとアスカを助けようと頑張ってくれたんだ。覚えてる?」

 「はい、あ、アスカは大丈夫ですか?」


 キョロキョロと辺りを見回すアリス。


 「アリス姉様、私は大丈夫です。本当にありがとうございました」

 「妹を守るのは姉の使命だよ。気にしないで」

 「アリス、それでその時に、お前の身体が負荷に耐えきれずに崩壊したんだ」

 「あー、そういえばそんな記憶もあります。ですがそれなら私は何故ここに?」

 「お前を助けたくて新しくパペットの身体を作ったんだ」


 そうしてアリスは初めて自分の身体を見た。コンパクトなボディ、短い手足、華奢だけど確かな強度を感じる身体。


 「ご主人様、これって……」

 「みんながお前のボディを作り上げるのに協力してくれた。アスカが材料捕ってきて、アミタが加工した」


 えへへ、と照れてるアスカ。誇らしげに胸を張るアミタ。


 「それとその服はアインが頑張って作ってくれたものだ」

 「アインちゃん……」

 「お姉様が復活するのに私だけ何も出来ないのは嫌ですから」

 「嬉しいです。ありがとう、アインちゃん」


 アインを撫でようとして手が届かない事に気付くアリス。苦笑いしながらアインに手招きすると、アインはアリスの目の前に跪いた。その頭をアリスが優しく撫でる。


 「ご主人様、確かにこの身体は可愛いし、便利ですけどやはりリーチは欲しいです。もう少し何とかなりませんか?」


 小さい身体が良いかと思って作ったが少し不満なようだ。しかし、それはわがままからではなくて役目、戦闘を担当する長女としての責任感からなので聞き入れてやらなければなるまい。


 「わかった。じゃあもう少し作り直そう。まあ前のようなマッチョにはしないと約束するよ」

 「そうですね。綺麗に着飾りたいです」


 そしてアリスは再び目を閉じた。それからアスカにもう一度狩りに行ってもらい、アミタに加工してもらった。アインにはいつもの食事の用意とアリスの為の可愛い服を縫ってもらった。


 そうこうして一週間、目の前には髪の色は変わらないものの、スラリとした美人女性の姿があった。もちろん胸はほんのりとしか無い。


 「主様、おはようございます」

 「アリス、調子はどうだ?」

 「そうですね……この身体なら前の体程では無いにしてもある程度は何とかなりますね」

 「慣れるまで大変だろうが頑張ってくれ」

 「わかりました主様。ええと、今から性能実験をしたいんですが」


 もちろんぼくもやらなきゃなと思っていた。それで森をアスカとうろつく事にしたらしい。ちょうどグレートホーンっていうヘラジカのデカいのがアリスを見つけた。一目散に角を出して向かってくるそれを、アスカが迎撃しようとするのをアリスが制した。


 アリスは角を両手でガシッと掴んだ。なるほど。身体が小さかったら手を広げても掴めなかったかもしれない。


 「よいしょ!」


 そのままグレートホーンを地面に捩じ伏せたのだった。いや、前にも出来たけどこの姿でやられるとすごいわ。

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