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第五十五話:リンス、イン、ワン

ところどころ聞き齧った程度の知識なのでスルーしてくださると嬉しいです。

 という訳で家に帰って直ぐにアミタに化粧水の開発をお願いする。材料の純水はアスカが魔法で用意してくれた。んで、比較対象に魔力のこもった魔力水も準備。ついでに化粧水もネットスーパーで買っといた。見本? うん、二万超えてるやつも買ったよ。


 しかし、この化粧水だけで済むとは思わない。髪を洗うシャンプー、リンスを作りたいところだ。はちみつと精油、ハーブを混ぜてリンスインシャンプーだ。これだとこの世界でも再現出来る。魔力水で混ぜる事で効果が強くなった。


 さて、次はおしろい。この世界で作られてるおしろいは鉛入りなんだよなあ。これは危ない。胃腸や脳に多大なダメージを及ぼす危険がある。ラケシス様はまだ使ってないそう。


 王妃様はおしろいを愛用していたとの事。しかし、太ってからは外に出る頻度も少なくなりしばらくは使ってなかったんだって。これは不幸中の幸い。


 で、ファンデーションを作ろうと思うんですよ。必要なのは界面活性剤。石油から作るんだから買ってくるしかないかなあとか思ってたら大豆を湯掻いて作れる事が判明。


 塩入れて茹でて冷ました残り汁をシャカシャカ振る。おお、泡立った泡立った。これで界面活性剤は大丈夫だから、次は美白成分。亜鉛華とやらを作ればいいらしい。


 ええと、亜鉛を融解し、千度程度で気化させ、空気で燃焼させると煙霧状の酸化亜鉛が生成するのでこれを冷風で急冷して微粒にしてサイクロンなどで捕集する。……なんのこっちゃよく分からん。


 サイクロンって仮面ライダーのバイクじゃないよね? あ、えーと、集塵機? 掃除機みたいなやつか。


 ってそれ以前に亜鉛を気化させるくらいの千度の高温ってどうすれば……アスカが魔法で何とかする? ううむ、それはそれでアスカに頼りっぱなしなんだよなあ。



 ええと、木炭でも千度くらいはいくのか。よし、じゃあ木炭で亜鉛をグツグツ煮ればいいんだな。冷却はそれこそアスカ頼みなんだけど。


 気化した亜鉛が一定の高さまで行ったら冷却魔法が発動する様な魔道具をアミタとアスカの合作で出来るらしい。魔石とかいう魔力のこもった石を使うんだそうな。電池かな?


 集塵機に関しても微粒子を感知して集塵するんだって。凄く優秀です。これらをぼくの家……だと手狭なんで納屋というか小屋みたいなのを建てて何とかする。


 家を拡大出来るのかと思ってたら住宅とか倉庫とかそこにプレハブのが載ってた。なるほど、買えるのか。プレハブで換気大丈夫かなとか思ったけど、そもそも木炭を最高効率で燃焼させるのに換気(というか送風)はしっかりしないといけないらしい。その辺はアミタが指揮を執ってくれた。


 こうして化粧水、リンスインシャンプー、ファンデーションと三種類の化粧品を作って、アヤさん、リンさん、エルさんの三人に感想を聞いた。三人とも肌に異常は見られなかった。アヤさんがリンスインシャンプーを舐めようとしたくらいかな。そして試作品を届けに王妃様に謁見を申し出た。


 ぼくたちが来ると速やかに王妃様の部屋の待合室に通されて、そこに王妃様とラケシス様がいらっしゃった。余程待ち望んでたんだろう。


 「さあ、早くそれをこちらへ!」

 「王妃様、おたてついてください」

 「それを言うなら落ち着いてですよ、ラケシス」


 気が逸ってるのは二人ともなようだ。よし、じゃあまずはリンスインシャンプーからだな。


 「こちらはリンスインシャンプーと言いまして髪を綺麗にするものです」

 「髪を綺麗に?」

 「そうです。お風呂に入った際にお試しください」


 そして次の製品の説明を、と思っていたら


 「今から試します。お風呂の用意を」

 「王妃様、来客中に入浴など」

 「何を言っているのです。その来客がお風呂で、と言ったのですよ。試さない方が失礼です!」


 いや、そんな事はないんだけどなあ、とか思ってたらラケシス様を連れてお風呂に去って行ってしまった。そして取り残されるぼくら。今日はアインをお留守番に、ぼく、アスカ、アミタで来ている。商品の説明出来る人間だね。


 「こちらにラケシスが居ると聞いて……またお前か!」


 おおっと、王子様ですね。オズワルドさんでしたっけ?


 「性懲りも無く変なものを売り付けようとしやがって。ラケシスはどこだ?」

 「ええと、ラケシス様でしたらお風呂に」

 「なんだと!? 貴様、なんということを仕出かしてくれたのだ!」


 いや、だってぼくのせいじゃないもん。王妃様が引き摺って行ったんだから。


 「ラケシスには指一本触れさせん!」


 そう言ってオズワルド王子とその取り巻きは剣を抜いた。いや、まあぼくはこれくらいじゃ傷つかないけど、パペットだけに。アスカとアミタが周りの取り巻きたちと一触即発状態だ。非常にまずい。


 「はあ、さっぱりしました。これは何事ですか!」


 そんなドタバタしていると王妃様が戻ってきた。髪の毛がツヤツヤしてる。これはしっかり綺麗になったな。

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