第五話:パペットを作って冒険しよう(未達)
場所が悪かったんよ……
と、ともかくそれでも半分は残った。百万と言ったらかなりの大金。これでジ〇ンは十年戦える……いや、十ヶ月でも無理だわ。
「えーと、まずはフィギュアと……」
「ちょわ!」
美少女バトルアニメのツンデレヒロインを買おうとしたらフォルテに止められた。
「何すんだよ」
「何すんだよじゃないですよ! 何を買おうとしてるんですか!」
「いや、せっかく金あるんだからフィギュアを」
「そんな使い方してたら半年持ちませんよ!」
フォルテに叱られてしまった。でもぼくも考え無しにフィギュアを買おうとしたわけでは無い。ほら、あれだ。脊髄反射ってやつだ。売り出された精巧な好きなキャラのフィギュアがあって、それを購入する資金もある。ならば買えばいい。
「考え無しじゃないですか!」
「あれ? い、いや、そんなはずは……そう、そうだ、パペットマスターだ!」
「は?」
「ほら、パペットマスターは呼び名の通りフィギュアとか人形を操作して戦うんだろ? ならその素体となる人形が……」
「パペットマスターは先ず自分のパペットを作るところから始まります」
おおう、買ったものを使うんじゃなくて一から作るタイプでしたか。
「つまり、金髪ツインテツンデレヒロインを作ることも可能だと?」
「外観はレベルアップしたら変更可能ですね」
「最初は?」
「ハリガネっぽいのです」
「……先は長そうだな」
ともかくパペットを組んでしまおう。あ、いや、その前に食料を買わなきゃな。送料は要らないのは助かるが……
「なあ、配達員がどうやって届けてくれるんだ?」
「いえ、ストレージにそのまま入りますよ?」
どうやら玄関まで出なくてもストレージにそのままお届けらしい。これはありがたい。試しに購入してみよう。何がいいかな……おっ、コーラがあるじゃないか。
「コーラ一つ、と。決済!」
チーンと音がした。ストレージを確認してみると確かにペットボトルのコーラが箱で置いてあった。そこから一本取り出してラッパ飲みする。
その流れで食事のメニューもあったので頼んでみると出来たてホカホカの飯がストレージに届けられた。なお、ストレージでは時間経過しないとフォルテが教えてくれた。これは便利だな。元の世界でも欲しかったわ。
改めてパペットマスターを起動する。パペット製作の項目があるのでそこをクリックするとハリガネみたいな素体がそこにあった。
「これがぼくのパペット……」
「そうですね」
「力はどれくらいなの?」
「人間の子ども並みですね」
「知能は?」
「人間の子ども並みですね」
「スピードは?」
「人間の子ども並みですね」
「器用さは?」
「人間の子ども並みですね」
全能力人間の子ども並みなの!?
「出来たばかりのパペットは人間の子ども程度の能力しか持ってません。なのでこれから成長させていく必要があります」
「どうやって?」
「魔獣を倒して魔素を取り込むのと……課金ですね」
「やっぱり課金かよ!」
パペットマスターの右上のところにはジュエル購入というアイコンがあった。このジュエルとやらを消費して装備を購入していくんだろう。
「あ、初回ログインボーナスあるんでスタートアップガチャが引けますよ?」
「装備ガチャ制度なの!?」
「しかも天井はありません」
「なんだよそれ、悪魔じゃないか!」
「いいえ、女神です。幸運の」
いや、待てよ? こいつは曲がりなりにも幸運の女神の分体。それならこいつにガチャ回させれば良いのが出るのでは?
「フォルテ」
「なんですか?」
「ガチャ回してみないか?」
「え? いいんですか?」
「イイヨイイヨー」
嬉しそうにはしゃぐフォルテ。どうやらやってみたかったらしい。よし、ガチャを回すぞ! ポチッとな!
N 剣
N 槍
N 斧
N 盾
N 剣
N 槍
N 斧
N 盾
N 帽子
R ドレス
「見事に最低保証ですね」
「……いや、おかしいだろ? お前、幸運の女神の分体じゃないのかよ!」
「そりゃあ他の人に幸運分けてるんだから自分の分体に幸運なんて分けるわけありませんよ」
なるほどなーってそれで十連がゴミに……いや、一応、Rも出たんだし、これはこれで……ともかくドレスを着せて武器は剣で良いか。帽子もつけとこう。
「よし、一応出来たな。名前は……やはりアリスかなあ」
「安直ですが良いと思います」
「言い方にトゲがあるがまあネーミングセンス無いのは自覚してるからな。さて、じゃあ周りの魔物を狩りに……」
それをしようとしてフォルテに止められた。えっ、なんで?
「これでもまだ足りないです」
「ガチャとは何だったのか……」
「いえ、普通のフィールドなら大丈夫なんですが、ここは魔物の徘徊するジャングルですから」
あー、まあ、ヤマイノシシとか居ましたもんね。