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第四十三話:戦い終わって日も暮れて

ウォシュレット、もう無しでは生活出来ません。

 ダークウォーリアーの物理障壁が砲弾を受け止めるのとほぼ同時のタイミングでアスカの魔法がダークウォーリアーに直撃した。凄まじい熱量がその場に顕現した。


 「GHOOOOOOOOOOOOO……」


 ダークウォーリアーの雄叫びが徐々に炎に包まれて小さくなり、そして消えていった。後に残ったのは黒い影みたいなのが地面に焼き付いた感じのやつ。


 「やったのか?」


 フラグだと分かってはいるがそう言わざるを得ない。いや、それでも立ち上がってくるものは跡形もなく消えているんだけど。


 「姉様!」


 そうだ、アリス! アスカがアリスの所に走って行って頭部をぎゅっと抱き締めた。


 「姉様、姉様、うわあああああん!」


 パペットだからって涙を流さないということは無いのだ。それを実感出来るくらいによく出来てる。ちくしょう。


 「ほら、終わったんならアリスちゃん回収してあげなよ」


 フォルテがいつの間にか現れて指示してくる。そうだよな。せめて家の近くに埋葬してやるのが良いよな。


 「? レストアしないの?」


 ………………は?


 「いや、頭部無事じゃない? なら新しいボディに移し替えるなりなんなりしてレストア出来るでしょ?」


 な、なんだって!? てことはアリスは助かるのか?


 「また別のパペット作っても良いけど、それだと初回特典の好感度MAXが勿体ないでしょ?」


 いや、別のパペットという選択肢は無い。あー、でもボディ作るのにまた時間と金が掛かるんじゃ?


 「暫くはパペットの頭部だけ保存して金が貯まったら作ればいいんじゃない? 頭部のコアユニットが無事だから半額くらいで作れると思うよ」


 となればお金を稼がないといけない。これは商売して稼ぐしかないかな? 一応、料理や便利道具など稼ぐ手段はそれなりにある。


 「よし、商売をやるぞ」

 「何を売るんですか?」


 嵐の運び手の奴らが聞いてきた。こいつらダークウォーリアー戦で何もしないで家に避難してたな。いやまああれに立ち向かえってのも酷な話ではあるんだが。


 「そうだな、何かこう、生活に便利に使える何かを売ろうと思う」

 「生活雑貨ですか? どんなものがあるんですか?」

 「そうだな。こういう時のテンプレは石鹸とかシャンプーとかだろう」

 「石鹸は分かりますがシャンプーですか? なんどか分かりませんが石鹸ということは高級品なんでしょうね」


 エルがぼんやりと呟いた。あれ? 石鹸って高級品なのか? まあ確かにこいつらあまり綺麗じゃないけど。そう思ったら気になって来た。おい、お前ら、石鹸とシャンプーやるから風呂に入ってこい。


 「えっ、お風呂とかあるんですか?!」


 逆になんで無いと思ったんだ? というかトイレのウォシュレットで……


 「いや、待てよ? お前らトイレはどこでしてるんだ?」

 「え? 失礼して草むらでちゃんとしてますよ。こんな家汚す訳にはいきませんし」


 いやトイレ使ってねえのかよ! ぼくのトイレは二階にあるから鉢合わせることも無いんだし。使えばいいのに……あ、そういやパペットはトイレ使わないからあるって知らなかったのかな?


 「……アイン、そいつらに風呂とトイレを教えてやってくれ。あと、お風呂は一緒に入って」


 そこまで言ってある事に思い至った。いや、裸になるとパペットの球体関節がモロバレになっちまう。まきますかまきませんか?


 「お風呂は一緒に入らなくていいから使い方だけ教えてやってくれ」

 「かしこまりました、ご主人様」


 エルとリンを連れてアインがお風呂場方面に行く。先にトイレらしく、二回ほど「んほぉ!?」という悲鳴が聞こえたからウォシュレットを知ったのだろう。


 「アイン、汚れた服は洗濯してやってくれ。替えの服は……買ったやつを出しておく。さりげなくサイズを調べて教えてくれ」

 「かしこまりました。ご主人様、くれぐれも覗かれませんように」


 覗くかよ! いや、それなりに興味はあるけど知られた時が怖いじゃないか。お風呂とトイレはサーチ切っとくのが良さそうだ。


 男性陣は庭で水浴びでもさせても良いと思うがまあ外は肌寒いからなあ。風邪でも引かれると面倒だ。


 「はふぅ」


 風呂から上がったリンが幸せそうにため息をついた。


 「私、ここの子になる」


 エルが何かを決心した様にグッと拳を握った。風呂上がりの二人は髪の毛サラサラで肌がツヤツヤの美人度二割増くらいになっていた。


 「お、おい、お前ら、リンとエルか?」

 「なんだと、こんなに違うのか……?」

 「あんたらも入って来なさい」


 そして男性陣もお風呂へ。その前にトイレを体験したらしく、「うおっ」と「ぬふっ」という聞いても幸せになれない悲鳴をあげていた。


 女性陣の下着やら服やらはかなり迷ったけど、男性用はシャツとズボンだけだから簡単だったな。

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