第三百六十九話:修羅場、ラ、バンバ
修羅場だけど修羅場になりきれない。
ぼくの周りには修羅場らしきものが展開されている。
まずはアリス。まごうかたなきぼくのパペットだ。確かにこの中では一番好みというか好みな感じに作ったのだが、ぼくはピュグマリオンでは無い。大地の剣も持ってないしね! 好感度は限界突破してるらしい。でも他のパペットたちは一向に好感度上がってる気がしないんだよなあ。アスカに至っては多分ぼくよりマヨネーズの好感度の方が高いぞ?
続いてアーニャさん。まあなし崩し的に婚約者になって、何度も解消を申し入れているはずなのだが、解消されたのかされてないのか未だに不明である。婚約者にならなければエロロリジジイに生贄に捧げられるかもだったからある意味仕方ない。好感度的には可もなく不可もなくといったところ。帝国の利を優先出来るタイプなのだろう。ジジイよりはおっさんなんだろう。
ユーリ。ぼくが下水から助け出した女の子。そう、助け出した時は男の子だと思ってお風呂に入れようとしたら女の子だったというやつ。責任とってみたいな感じでダーリンと呼ばれてはいる。彼女の場合は心象風景という彼女の能力が関わってくる。まあぼくが分身体だから心が読めないから安心するんだと。本体に戻ったらこういう事も無くなるだろう。
洞穴中歩美さん。ぼくと同じ異世界からの転移者。ぼくがフォルトゥーナ様に呼ばれたのとは別なルートでダンジョンマスターに任命された可哀想な人。今は住環境もだいぶ整ってきたみたい。ぼくのことは同郷の為に懐いてくれていると思ってる。というか彼女は逆ハーレム状態なんだよね。あれだけイケメンに囲まれてるんだからぼくに目がいくことは無いだろう、多分。
アヤさん。帝国で鬼哭とも呼ばれているらしい帝国軍人、なのだが、色々あってゴンドール王国に大使として出向いている。日々甘味処に通い詰めている女性。ぼくを狙ってるというよりは副次的についてくる住環境や食生活が目的だろう。まあ来たら食わせてやってるから餌付けは完璧だ。
キリエは下水勢だけど、恩義はあれど恋心とかには至ってないみたいだし、どちらかと言うと好みはアルタイルみたいな人らしい。頑張れ。ラケシス様はそもそも王太子殿下がいらっしゃるから完全に対象外である。でも、おしるこをチラつかせたら釣れそうなのはどうかと思う。
アインとアンヌに関してはもう主従以上のものは無い。いやそれでも献身的には仕えてくれてると思うけどね。ぼくが健康的に生活出来てるのはこの二人のおかげだもの。
アルタイルとエイクスュルニルは何も言わなくていいだろう。ぼくにBLの趣味は無いし、掛け算で繋がれたくない。繋がってもどう考えても後ろ側になるのは目に見えてるしね。あ、でも晶龍やピーター君相手なら前に行けるのか? 分からない、ぼくには分からないよ、パトラッシュ。
まず修羅場の口火を切ったのはユーリだった。
「護、そいつが婚約者ってどういう事?」
「え? ああ、この人は帝国の皇女様でね。前に変なところに嫁に出されそうになったのを形だけ婚約して止めたんだ」
「まあ、形だけだなんて。あんなに熱く愛してくださったのに」
「ないからね?! そもそも君を助けに行ったのは他の人だったでしょ?」
あの時は今のぼくではなくてセ〇ールバージョンだったからね。形だけでもセ〇ールにすればかっこよくアクションが出来るかなって思ってたんだけど無理だったからお蔵入りなのだ。現実は厳しい。
「まっ、護様はどうしてそこの小娘に「ダーリン」などと呼ばれているのですか?」
「護はダーリンだもの」
「ええと、この子は昔ぼくが保護しましてその時のことを恩に感じているんですよ」
「違うもん、運命の出会いだもん」
ここで歩美さんが参戦する。
「あの、お二人とも、落ち着い、て、ください。護さん、が 話せ、なく、なって、いるじゃ、あり、ません、か」
途切れ途切れながらの参戦にまわりもひふ
「……あなたは?」
「私はその、護さんに助けられて手取り足取り色々教えて貰って、その、とても、優しいなっ、て」
「手取り足取り!? ちょっと歩美さん、ボク、そんな事聞いてないよ!?」
ちなみに手取り足取り教えたつもりはありません。この世界のこととかDPの貯め方なんかは指導しましたが。
「私は主様に身体の隅から隅までいじってもらったよ。私の身体に主様の指が触れてない場所なんかないもん!」
突然アリスがぶち込む。確かにそうだけど、お前がパペットって事はトップシークレットなんだからな。歩美さん以外は知らないんだぞ?
それから自分の方がぼくと親密だ、みたいなのが続いた。
「とりあえず今は護さんのことは置いておいて、会議の事を打ち合わせたいのだけれど」
ラケシス様の一言に全員が鎮まった。アヤさん? さっきからずっとアインに軽食を出してもらって食べてるよ。多分餌与えとけばなんとでもなるんだよなあ。




