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第三百五十五話:いよいよ始まる? 世界会議に出発だ!

世界会議に触れたのは百九十九話ですね。

 孤児院の件が片付いて平和な日々が戻ってきたなと思ったら、今度は帝国のヒルダさんから呼び出された。また皇帝陛下がビールが飲みたいとか騒いでんのかね?


「そろそろ世界会議に向かうのですが、選抜メンバーはお決めになりましたか?」


 えーと、えーと、世界会議……? そういえばどこかで聞いた様な? あっ、ぼくのところと歩美さんのところを国として認めて貰えっていう感じのやつ?


「前々からアインさんには同行していただくように申し入れておりました様ですが、他の方はどうでしょうか?」


 正直、アヤさんが持ってきた話だったので嘘だと思ってたんだけど、本当のことらしい。ただし、日付に関してはかなり間違ってたんだけど。開催日が一ヶ月後ではなくて出発日が一ヶ月後だったんだとか。


「アヤさんから聞いてはいますが、世界会議ってのはやっぱり大袈裟では?」

「あの、少なくとも使徒として聖国に知られている護様は行っていただけないと」

「どうなるの?」

「各国の使節がかわりばんこに訪ねて来るかと」


 それは、なんというか、心が休まらなさそうな話である。


「それて護様のところは誰を派遣されるのですか?」


 うーむ、ちっとも考えてなかった。でもまあ連れて行くならアリス、アイン、アンヌ、アカネだろう。アスカは後から呼んでもいいだろうし、アミタは連れて歩くのにはしのびない。というかこの際だからもう一体作ってしまおうと思う。もちろん内緒で。


 それをヒルダさんに言うと、「ウチからはアヤと何人かの兵士、そして文官も参ります」だってさ。皇帝陛下は行かないのかと聞いたら、「そういうのは外務官の仕事でございます」だってさ。今度顔合わせしてくれるらしいよ。皇帝陛下は行く気満々だったみたいでしょぼんとしていた。


 報せは歩美さんのところにも行っていたらしく、こちらはゴンドール王国の人と同行するんだそうな。歩美さんは行かないとダメなのかと何度も何度も渋ったが、建国宣言する国の代表が行かなければならないらしく、仕方ないと行く事に。お供はアルタイルとエイクスュルニル、そしてユーリとキリエである。


 キリエはアルタイルやセイバートゥースに色々仕込まれているみたいで、立ち居振る舞いがとても綺麗になっていた。なんでも歩美さんからキリエが孤児たちの代表だよって言われたらしく、増えた孤児たちを守るためにもとますます気合いが入ってるらしい。


 そのゴンドール王国からはラケシス様は当然行かないことになっていた。「行ってしまうとおしるこが食べられなくなるから」というのはきっと冗談だったに違いない。そんなことで公務は休まないだろう。こちらはその代わりに王太子のオズワルド殿下が行かれるそうな。大丈夫かな?


 まあ他にも外交担当の何人かと騎士団からも行くんだって。騎士団長はもちろん留守番。副騎士団長が行くそうだ。嫌な人じゃないといいなあ。まあ苦労するのは歩美さんだけど。


 そんなこんなで出発当日。帝国は何台もの馬車を停めていました。そこの一番豪華な馬車にぼくが乗り込むらしい。気後れするね。戸惑いながらも中に入ろうとドアを開けるとアヤさんが寝っ転がってた。パタン、と思わず扉を閉める。


「ちょっと護さん、酷くないですか!?」

「酷いも何も、なんでアヤさんがここに居るんですか?」

「え? ほら、私も同道するじゃない?」

「いや、でもアヤさんは別の馬車と聞いたのですが?」

「いやあ、護さんとアインさんの乗ってる馬車なら美味しいものにありつけるじゃないですか!」


 拳を握りしめて力説するアヤさん。というかアヤさんって駐ゴンドール王国大使じゃなかったの?


「このイベントに行くのは前から決まってたんですよ。だから今だけ代わってもらってます」


 バイトを代わるみたいな感覚で言われてもなあ。まあアヤさんはなんだかんだでいい戦力みたいなんでそれはそれで良いだろう。


 ぼくらが馬車に乗り込むとぼく、アインの他にアリスが乗り込もうとする。


「アリス、お前じゃなくてアンヌを乗せてくれ」

「なんで? 主様の隣は私の席じゃないの!?」

「身の回りの世話にアイン、帝国の人になんかあった時のためにアンヌ、アリスは護衛部隊の方な」

「ううー、アインちゃん、代わって」

「姉様、さすがに私の職分は侵さないでください」


 さすがにアリスもわがままで暴れる事は無いみたいだ。渋々ながらも護衛部隊の馬車の方に向かっていった。護衛部隊はぼくらの馬車よりも先行して盗賊や魔獣などの障害を取り除くのだ。まあ一国の使者一行に喧嘩を売る盗賊とかいるのかって話なんだけど。


 そうこうしてたらドアがまた開いて、男女の二人組が入って来た。男性はきっちりした宮廷貴族の格好をしていて、女性はメイド服だ。アヤさんを一瞥するとそのまま無言で馬車に乗り込んで来た。

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