第三十四話:四体目だからお姉ちゃんじゃありません
ロード・ディアーチェとはやてちゃんが好きです。
せっかくなので四体目も作っておく。後悔は後からすればいい。という事でパペットを作った。パペット状態のまま鍛治系のスキルを身につけてもらう。先ずは剣を磨いてもらうか。
ぼくの分身体で剣の研ぎ方を教える。しゃーこしゃーこ……うひひひひ。いや、笑ってない、笑ってないから! というかぼくもこれでいいのかわからない。そもそも剣を研ぐのかすらも知らない。でも他に鍛冶っぽい事って熱した金属をトンテンカンテン叩く?
いやいや、先ずは何かを作る事からでしょう。という事で手習いとして折り紙を買って与えた。とりあえず鶴くらいは折れるようになってもらおう。ぼくは折れます。ええ、なんというか千羽鶴折ったこともありますから。一人で。三週間ぐらい頑張ってたらもう退院してて意味なかったけど。ちなみにその子は見舞いに来てくれた足の速い男の子と付き合い始めました。ちくしょうめ!
他にも竹細工と牛乳パック工作をやらせたらどれにも頑張って取り組んでたよ。しかし指が無いのによくやるもんだ。なんか未来の世界のネコ型ロボットみたいな吸盤でもついてるんだろうか? え? あっちには吸盤ついてない?
頑張ってる四体目の横でぼくは彼女に名前をつける。いや、彼女では無いかもしれないが、ぼくが作ったのは雌型だ。そう、アリスだって雌型のはずなんだけどなあ……
「お前に名前を授ける。お前の名前は……アミタ、アミタだ!」
フ○ーリアン姉妹の姉ではありません。略さずに言うとアミティエでもありません。さらに言えば、ぼくはキリエの方が好きです。
「了解や。ウチはアミタ。よろしゅうな、旦那はん」
商工で活躍してもらおうと関西弁にしてみたんだけど、ぼく自身が関西出身では無いので多分似非関西弁になってるはず。
「よし、ならアミタ。今日は折り紙、竹細工、牛乳パックだ。それが終わったら次の教材をだな」
「ん? 出された課題やったらだいたい終わっとるで」
「なんだと?」
ぱっと見てみると確かに課題分は全部終わってる。じゃあ終わったあとに何をしてたのかと言ったら普通に折り紙と竹細工組み合わせて遊んでたらしい。よし、じゃあ次の課題だ。
「次はこれを組み立ててもらおう」
「了解や」
彼女に渡したのはMGのνガン○ム。つまり、ガンプラである。どうだ? ぼくが作ろうと思って部品の多さに断念したやつだ。作れるものなら作ってみろ、いや、むしろ作ってくださいお願いします。
「これは……難しいやないか」
ニッパーでランナーからきちんと切り離しているが手が吸盤なので細かい部品を弄れない。さすがにまだ早かったか、とか思ってたらアミタがピカッと光って、手だけが人間のものになった。
フレーム人間で手首から先だけ生身の様な身体。いや、普通に気持ち悪いわ! しかし、その技術は確かな様でしっかり組み立てが進んでいる。この分だと遠くないうちにできるだろう。
「よし、じゃあ次の課題にPGのユニコーンを……」
「……ご主人様?」
「あー、うん、このままアミタには頑張ってもらおうかな。アインは晩御飯の支度よろしくね」
「かしこまりました」
そしてそのまま下の階に分身体を座らせてぼくはパペットマスターと残高を覗き込んだ。三百万くらいはあるな。よし、ここは一発ガチャを引こう!
ガチャのお値段、三百万で十連が一回也。よし、回すぞ。ポチっとな!
N 剣
N 槍
N 斧
N 盾
R 刀
R 盾
SR 魔導杖
SR チャイナ服
SR メイド服
UR 赤き舞踏のドレス
おおっ、装備ガチャは当たりかな? 前はほぼNだったのに。とりあえず魔導杖はアスカでいいとして、その他のが問題だなあ。特にこのURの真っ赤なドレス。防御力とかそうでも無さそうたけど舞踏にボーナスが付くらしい。いや、誰も踊らんよ?
メイド服は普通にアインでいいだろう。チャイナ服は……うん、アリスには秘密にしておこう。そして身体が弄れたらその時には出してやろう。代わりにアリスには刀をプレゼントだ。
なお、赤き舞踏のドレスは売ろうとしたら二束三文にしかならなかった。高かったら売ってもう一体パペット作るなりなんなりできたんだけど。
そうこうしてるうちに日が暮れて、アリスとアスカが転移門で帰ってきた。アスカの時空収納から獲物がどさどさと出てくる。解体場でアリスが解体してくれている。先々、これもアミタに任せる予定だからちゃんと見せておこう。
アインの料理も出揃い、全員で食堂へ。このテーブル六人がけだからあと一人座れるんだよね。ぼくはみんなをそれぞれ紹介して、食事とした。今日もカレーである。今日のはシーフードなんだと。皇帝のお土産で海産物があったんだって。そのうち海産物も生産出来んかなあ?




