表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
333/400

第三百三十三話:その後のウッド

ウッド三部作、完結!(違)

 ロボーは大きく咆哮すると、ウッドが避けれるくらいのスピードで飛びかかった。うん、殺しちゃダメだよって言っといたからね。


「ひいいいいい!」


 悲鳴を上げながらも必死で逃げるウッド。そうでなきゃ足を再生させた意味無いもんね!


『ほほう、かわしたか』

「バッ、バケモノッ!」

『失礼なものだ。狼の王と呼ばれるこのロボーになんという言い草だ。万死に値するな。いけ、狼たちよ。奴を食いちぎれ!』


 もちろん仲間の狼の皆さんにも殺さないようには言ってある。間違って殺したらペナルティでご飯抜きって事になってるから従うだろう。


「あおーん」


 草原のあちこちから聞こえてくる吠え声にウッドは恐慌状態にでもなったのか、立ち上がって立ち尽くした。逃げ場なしって感じたのかな? でもそれじゃあ面白くないよね?


『どうした、逃げんのか? 逃げぬのなら我が同胞たちの餌にするが』


 その言葉に弾かれたように足を動かす。逃げる、というのは似つかわしくないかもしれない。先程の声はそこら中から響いていたのだ。逃げる場所などありはしない。それでも吠え声が少ないと感じた方に走る。しばらく走っても視界に狼が見えなかったので、ウッドは賭けに勝ったとでも思ったのかもしれない。


 いやまあ、ロボーには方位したあとは走った方向の狼を退がらせる様に指示出して貰ってるからね。ほら、逃げ回ってくれないとダメだよ?


「はあ、はあ、はあ、酷い目にあった。だが、俺は生き残ったぞ!」


 走った事による喉の乾きが襲ってきたらしく、魔法で水を作り出し、一気に飲む。ウッドは足をガクガクいわせてそのままへたりこんだ。


『随分と逃げたじゃないか。褒めてやろう』


 そんな声が響いた。ふと見るとそこには先程のロボーと名乗る狼が居た。いつだ? いつ追い付かれた? なんてブツブツ言ってたけど、実は気配を消してすぐ後ろを着いてきていたんだよね。メリーちゃんの故事(?)を教えてやったら嬉嬉としてやりたがってたからね。これが本当の送り狼ってやつか。


『追いかけっこはもう終わりか? ならばディナータイムといこうじゃないか』

「ううっ、ダメだ、足が動かん……」


 どうやら観念した様でそのままそこに崩れ落ちた。あ、そろそろゲームオーバー? 仕方ない。どっかに運んで……


 は? セイバートゥース? え、うん、まあほら、牧童とかいるかなって。要らなきゃ良いけど。あ、じゃあ後は任せるよ。え? チーズケーキ? ああ、歩美さんが食べるのね。わかったわかった。じゃあチーズケーキは後ほど持っていくって事でウッドの処遇は任せます。


 その後のセイバートゥースから聞いた話をチーズケーキを届けに行った際に歩美さんが茶請けに話してくれたんだけど、ウッドはロボーに食われるのを目を瞑って待ってたんだって。そこにセイバートゥースが通りかかって、うわー、やーらーれーたー、ってなったらしい。歩美さんが言った事だから実際はロボーが負けるくらいの強さでバトったんだろう。


 ちなみにどっちが強いかってのは二人(匹?)とも自分だって譲らなかったから歩美さんとブランにめってされたらしい。いつの世も(おんな)は強いんだなあ。


 で、ウッドは小屋に寝させられて、人間形態のセイバートゥースに介抱されたんだって。って、セイバートゥースって医療の心得あるの?


「あの、セイバートゥースには、応急処置、くらいしか、ありません、その、ピーターなら、色々、癒せ、ます」


 ピーター君の場合は癒せるというか癒される的なものだと思うんですが。参考までに聞いてみたら回復系統の魔法が使える様になってたそうで。ウサギ形態では使えなかったけど、人間形態手に入れた時に修得したんだって。多分、駄目女神(フォルトゥーナ)が悪い。いや、いい事なのかな?


 で、セイバートゥースがしばらくここに居ていい、良かったらうちの家畜の世話をしてくれ、とヤギと羊の世話を任せたそうだ。ウッドもしぶしぶとだが引き受けた様で、まあ何かと一生懸命にやってるそうだ。


 なお、狼が夜に吠えてくれてるらしく、脱走は考えてない様だそうだ。で、ヤギや羊の出荷や入荷で街について行きたいと言ったんだが、セイバートゥースが「こいつらは俺の商品だ。狼が襲って来たらお前を見捨ててでも商品を守るが、それでもいいか?」って言ったら引っ込んだそうだ。うむ、狼が来るぞー!ってやつか(違う)


 まあともかく、セイバートゥースが食事を出しながら世話をしてるみたいなので問題は無いだろう。セイバートゥースに食事とか作れるのかと聞いたら、「洗って、切って、煮込む。それだけだ」だってさ。


 まあこれでウッドの処遇は終わりかな。せいぜい働きながら歩美さんの為にDP(ダンジョンポイント)を献上してくれ。じゃあぼくはそろそろ帰る……えっ、何、歩美さん? えっ? いちご大福? あ、うん、あるけど。お買い上げ? DP使えば? あ、際限なく出しちゃいそうだから節制してんのね。……うん、ぼくも節制すべきかなあ?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ