第三百三十話:秘するが花(儲け話)
お金配りツイートとか詐欺でしかないよね。儲かるなら他人に教えないし、ばらまかないっての。
という事でルドルマンさんの御屋敷にご案内。その後にルドルマンさんに帰ってきて貰う。あ、アッコギたちはまとめて連行して来るようにゴーレムを呼び出した。指揮をアリスにやらせようと思ったけど、駄々を捏ねられたので、ヴィオレッタさんを起こしてお願いした。
「歩くのもリハビリになるからな。まあ動けてるんだから心配ねえよ」
などと言ってくれて非常に助かった。いやまあアリスも命令すれば聞いてくれるんだろうけど、こっちにユーリが居ることに気づいてからは駄々を捏ね始めたのだ。そんなにユーリと仲が良かったか? 喧嘩するほど、ってやつかもしれん。ぼくにはそんな友達は居なかったよ……
ルドルマンさんが戻ってきて、詐欺師の男を見つけた。
「お前!」
「ちっ、また会うとは思わなかったぜ、ルドルマン」
「貴様、よくも私の金を持ち逃げしたな!?」
「はん。手前の金じゃねえよ。俺の懐に入ったんだから俺の金だ。渡すかよ」
まあ詐欺師なんてそんなものですよ。騙されたルドルマンさんが悪いと思います。
「あんたの言う儲け話も嘘だったのか?」
「当たり前だろ? 儲け話をどこの誰とも知らねえやつに話すわけねえじゃねえか。一人で儲けるわ」
まあそりゃあそうだよな。ほら、「あなただけに儲かる方法をお教えします!」とかいう馬鹿げた話。いや、儲かるなら他人に話したりしないって。例えば競馬で勝つ馬が分かってたらその馬を他の人に教えるかってことだよ。ちなみに私は競馬はよく分からないんだよね。終わったら馬がライブやるんだっけ?
いやまあ儲け話を他人に持ち掛ける場合はある。一人だと資金が足りない時だ。後は失敗する可能性もある時にリスクを分散させるため、確実に儲かるなら一人でやるよね。その場合もお互いの配当をしっかり決めてやると思うんだよ。
まあ総じて、ルドルマンさんがダメダメって事だ。これはどうしようもない。大人しく田舎に引っ込んでるのが一番だろう。
ぼく? ぼくの場合は商才とかなくてもオンリーワンの製品、それも渇望されてるものを売ってるんだから失敗する方がおかしいんだよ。これこそ、「絶対に儲かる商売」だ。NTR? いやいや、だってうちでしか生産出来ないんだから平気だって。
「えーと、ルドルマンさん、それでこの詐欺師をどうしますか?」
「どう、と言われても。私はお金が戻ってくればそれだけで」
あ、ダメだ。この人商売向いてないや。この人でも出来る商売なんてある訳……いや、まあ無いわけでは無いけど。そこまでぼくがやる必要とかあるのかなあ? 確かにルナには働いて欲しいし、働いてくれる間は給与福利厚生はちゃんとするつもりだけど、その親の面倒までは見たくない。
「ルドルマンさん、商売、やめる気あります?」
「あの、どうしてその様な事を? 商売をやめたらうちはやっていけないんですが」
「いや、やめなくてもやっていけてないでしょう?」
「確かに、そうですが、でも、二人目も生まれるのに」
「とりあえずルドルマンさんの一家で話し合ってください。出来れば同席させて欲しいですが」
ルドルマンさんがどのような事になるのかについては全く興味無いけど、ルナが二号店から抜けてしまうのはちょっと困る。
「分かりました。妻の実家の方に行って話し合おうと思います」
あ、そうか。奥さん身重だっけ? それはちょっと援助したくなるなあ。ぼくは妊婦には優しいのです。え? 腹ボテが性癖なのかって? そそそそそそそんなまさか!
「では、この男はぼくが貰っていきます。アッコギに金を出したのはぼくなのでこいつから返して貰いますね」
「そう、ですね。私から返せなくてすいません」
……うん、やっぱり向いてなさそう。何が出来るのか分からないから家族会議まで保留だね。
「おい、お前はこっちだ、こい」
「えっ? いや、そんな、俺は」
「いいからつべこべ言うな。金を返して貰わないといけないんだから」
「あの、金はアッコギの野郎に取り上げられて」
「それは知らん。それはそれ、これはこれ、だ」
ぼくはアリスに担がせて男を引きずってルドルマンさんの家から出た。そのままカプセルの家に戻る。
「おかえりなさいませ、チーフ。おや、私へのお土産ですか?」
「あー、間違っちゃいないが、やって欲しいことがある。まずは」
「ふむふむ、なるほど。造作もない事です。アミタ姉様が培養装置を作ってくれていますので」
「そうか、なら頼むぞ」
という感じでアンヌが男を引きずって引っ込んだ。なお、アンヌは実はアリスに次ぐパワーの持ち主だったりする。何故かと言うと医療行為の時に暴れる患者を取り抑える為だ。入院患者というのは時には凄まじい力で暴れたりするんだよ。看護師さんもパワーが必要、アコライトの得意技がラリアットなのも頷ける。




