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第二十六話:現地人奴隷化計画

ネコミミ娘は居るのか?

「無理!」


 奴隷、という言葉を聞いて拒否反応を示した。いや、ぼくもこの世界に来たんだし、郷に入ってはリーに従え……違ったかな? って言うしね。ちなみにリーってのは最初の奥さんの愛称らしい。


「ご主人様。ご主人様の世界に奴隷は居ませんでしたから忌避するのも分かります。しかし、この世界では奴隷は一般的な」

「初めての奴隷はネコミミ娘って決めてるんだあああああああああああああ!」


 そう、ぼくが躊躇してるのは奴隷を忌避するとかじゃなくて、持つならネコミミ娘が良いってだけなんだよ。


「ご主人様、私というものが居ながら……」


 いや、アリス、お前は対象外だ。戦力としては期待してるぞ。


「ご主人様がどうしてもと言うなら私もやぶさかでは」


 喋りながら脱ぐな、アイン!


「あ、あはは、その、そういうのってまあ個人の自由とは思いますけど、出来れば他人のいないところでしてもらえると」

「違っ」


 違うんです、アヤさん! この二体に生殖能力はないんですよ! そんな機能はつけてないんですよ!


「メイドの嗜みですからお口とか手とかで良ければ」

「アイン、お前はもう黙れ!」


 誤解が積み重なって果てしなくなっていく。どうしようかと途方に暮れているが、スレッグをどうするかはまだ決まっていない。


「いっその事、このままくびり殺したらどうでしょう?」


 アリスが怖いことを言う。


「畑に撒けば肥料くらいにはなりましょう」


 アインもそれに賛同してる様だ。アヤさんがオタオタしている。それもそうだろう。同じ小隊の人間が暗部の人間だっただけでなく、殺されようとしてるのだ。


「この家から出して解放してやれ」

「えっ」

「……かしこまりました」


 ぼくは命令を下した。パペットの二人は基本的にぼくの命令に背かない。ロボット三原則ならぬパペット三原則だ。いや、人間に危害はバリバリ加えてんだけど。


 さて、スレッグを解放したのは理由がある。まずひとつはぼくに処刑する気がないって事。殺されそうになったのにって? いや、だからってぼくが殺すのは違うんじゃない?


 次にこのままスレッグを置いておくにはコストが掛かるということ。ここは流通から外れてるんだ。金を稼ぐことができるならありかもしれないけど、この森でスレッグが金を稼げるとは思わない。


 更に言えばぼくはどこの国にも加担したくない。帝国にだって敵に回るなら仕方ないけど無理に敵に回したくない。交渉の余地があると思ってもらわなければならない。だからもちろんアヤさんは無傷で帰すつもり。


 最後に、もし、そのまま逃げ切れるならそれはそれで。魔獣や獣にやられるならスッキリするからだ。だってぼくを殺そうとしたんだからな!


 そんな訳で外に出てスレッグを解き放つ。帰りたければ帰っていいんだぞ? 一人で森を抜けれるなら。


 スレッグは舌打ちするとそのままとぼとぼと森の中に消えていった。さて、次はアヤさんと大隊長殿だな。


「アヤさん。あなたには是非是非帝国での窓口になってもらいたいのです。ご主人様がそう言ってました」


 大隊長よりはマシな窓口になってくれると思う。大隊長は今回は身代金を要求しない。そらが帝国への敵意のなさの表しだと思う。


「し、しかし、私のような若輩者では……」

「カレー」

「いや、しかし……」

「ビーフシチュー」

「そ、その……」

「煮込みハンバーグ」

「やります、やらせてください!」


 落ちたか。いや、でもアヤさんは悪くない選択肢だぞ。何気に隠れ巨乳っぽいし。そうと決まれば大隊長を連れて帰ってもらおう。


「一応帝国には相互不可侵だと伝えてください」

「分かりました、アインさん。ご主人様、にもよろしくお伝えください」


 ご主人様こと、ぼくは名前を出してないからご主人様って呼ばれるんですよ。美女がご主人様だって。なんかいいねえ。


 斯くしてほかの二人も解放した。こっちには魔よけとして襲われない様にフォルテに祝福をかけて貰った。エンカウント率が激減するらしい。さすがは幸運の女神の分体。


 さて、スレッグが無事帝国に帰れたのかは分からないけど、アヤさんは無事帰りつけた様だ。その証拠に帝国から使者が来られた。今回は大隊長殿はいらっしゃらないようだ。しかし代わりにアヤさん。これは案内役だろう。


 という事は一緒に来たもう一人は交渉役なんだろう。ウェーブに棚引く金髪が風にキラキラして綺麗である。体型的にはアヤよりも長身で出るところも出ている。発育は非常に良さそうだ。ただ、手に持ってるムチはなんなんですかね? なにかをテイミングでもするつもりなの?


「ようこそいらっしゃいました」

「私は帝国宰相、ヒルデガルド。ヒルデガルド・V・リヒタール。この度はうちの第四師団がご迷惑をおかけしたそうで」

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