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第二百四十二話:あんなものはただの脂肪です。偉い人にはそれが分からんのです。

私はおっぱいよりかは脚派です。太ももバンザイ!

 さあ、ここからは晶龍がどうアリスに交渉するかだな。まあ最悪、どうもならなかったらぼくが何とかするしかないんだけど。その為のアンヌだからね。いや、アリスが先に来るなんて思わなかったけど。


「アリスさん、オレ、こまってるんですよ」

「そうみたいだね」

「クリアできないとかえれないし」

「そうかもね」

「ここのいらいぬしもかわいそうだし」

「まあね」

「なんだよ、かわいそうとかおもわねえのかよ!」

「えー? だってそれは私には関係ないでしょう? 主様に関係あるっていうなら話は別だけど」

「ううう」


 それだと多分アリスは動かないんだよな。情に訴えるというのはアリスにはあまり効かない。ロボットだからマシンだから、ダラッダ。いや、パペットだけど。


「かんがえろ、かんがえろオレ。なんとかするんだ」


 頑張って考えてるね。まあその思索が成功への道を作るんだけど、まあ今の晶龍じゃあ無理かなあ。


「晶龍君、ちょっとこっちに」


 おや、歩美さんが何か囁く様ですね。何を囁いてるのかぼくは順風耳じゃないから分からない。おっ、終わったかな。


「まもる」

「ん? なんだい?」

「様をつけなさい、デコ助!」

「アリス、うるさい」

「はぁい」

「で?」

「まもるはオレサマといっしょにさんぽにくるのか?」

「え? やだよめんどくさい。ぼくはここの庭で待っとくかな」


 本体の身体でないとはいえ、ぼくのデブ症……もとい出不精は治らないのだ。そして、それを聞いてニヤリと笑う晶龍。なんだ? 自分が欲しいと思う答えを導き出したみたいな。


「アリスさん」

「何?」

「もし、ひきうけないんだったらここにのこるのってまもるとあゆみだよね」

「……何が言いたいの?」

「つまり用事のないアリスさんは戻って残るのはまもるとあゆみだからふたりでどこかにでかけたり」

「!? い、いや、そんな、主様がそんな事する訳が……でも、でも!」

「ひきうけてくれるならオレはあゆみをつれてさんぽにいけるんだけど。そしたらここでまもるとふたりきりになるのは」

「分かった。引き受けてあげる。この家は任せて!」


 おおっ、見事にアリスから同意を引き出したな。という事でアリスが留守の間守るという事を歩美さんからノワールちゃんに伝えてもらう。ノワールちゃんもアリスを一瞥して、少し身体を震わせたあと、くぅん、と頭を下げた。ふむ、犬も可愛いもんだな。いや、犬じゃないけど。


「じゃあさんぽにいってくるぜ! あゆみ、よろしくな」

「あ、うん。ええと、一応、アルタイルも、呼ぶね」


 転移して現れたアルタイル。へえ、転移使えるんだ。え? アスカに教わった? なるほど。まあ魔法系同士だもんな。


 晶龍、歩美さん、ノワール、アルタイルが散歩に出掛けたので残されたのはぼくとアリスだ。


「主様、二人きりですね」

「そうだね」

「ここは一つ、襲ってみませんか? 私はいつでもウェルカムなのですけど」

「いや、襲うってなんだよ。襲っても勝てないだろ」

「主様なら抵抗はしませんからご存分にしゃぶり尽くしてください!」

「いや、さすがにやめとくよ」

「なんでですか? やっぱりおっぱいなんですか? 巨乳が良いんですか?」

「別に巨乳には何も思うところは無いが」

「だってチラチラ見ますよね」

「そりゃあまああんなのぶら下げて重くないのかとかあとは単純に空間占有率が高いから目がいくだけだな」


 アリスはブツブツ言いながら自分の胸を揉み始める。いやいや、別にお前はペタンツルンじゃないんだからそこまで気にしないでも。


「主様、私のおっぱい大きくしてください!」

「ええ? いや、戦闘に支障が出るだろ」

「大丈夫です。その、主様が揉んでくださればきっとすぐに大きくなります」

「いや、大きくするのはパペットマスターのカスタマイズ画面からだからな!? しかも課金要素だし」

「せめてアスカちゃんに負けないように。姉としての威厳が!」

「アスカのは魔力の増槽(タンク)だろうが!」


 アリスにそんなものつけても実用性無いのに。というか重力魔法もそこまで使わないからなあ。いや、広範囲に発動させるなら必要にはなるけど、そんな魔王みたいな事はしたくないし。


「アリス」

「なんですか、主様」

「ぶっちゃけて言うと巨乳(あれ)は贅肉だ」

「え?」

「嗜好として傾倒する輩もそれなりに多いが、それが全てでもない」

「ええと、主様は大きいのが嫌い?」

「嫌いというかそこまで好きではないと言っただろう。邪魔そうだとか暑そうだとかは思うが、それはデブの人間のお腹の脂肪を見る時みたいな……」

「どうしたの?」

「……いや、言っててちょっと切なくなっただけだ」


 太ってる人間というのは注目されやすい。それは画面における専有面積が多いからだ。いや、ぼくは太ってからは外に出てないからあまりそういう経験はないんだけど。

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