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第百七十四話:スパリゾートで命の洗濯

最近行ってないんですが、近所にあれば通うのに。

 そんな感じで一ヶ月、二ヶ月と人を呼んでいたら、貴族のお嬢様方や、奥様方、上級冒険者の方々が通うようになった。ラケシス様と王妃様がお茶会で広めてくれたらしい。まあ、ラケシス様も王妃様も身体が引き締まって綺麗になったもんね。


 ラケシス様なんかは一時期、「王太子殿下の許嫁という事ですが、あの様な醜い体型だなんて」なんて噂されてたんだって。主に王太子殿下に擦り寄りたい、あわよくば側室、もっと言えば正室としてラケシス様を蹴落としたい令嬢方が積極的に流してたんだと。


 それで王都の舞踏会で笑ってやろうと思ったら引き締まって出るところでてるみたいな身体つきで登場したものだから場内唖然。


 あとほら、運動して体幹鍛えられると姿勢が綺麗になるって言うじゃない? ラケシス様は小さい頃から姿勢の訓練はしていたんだけど、それに無理が無くなったみたいで自然に美しい立ち姿を披露してくれたんだと。


 もちろん、過大な胸部装甲は健在。それどころか少し上向きになってて見ていてだらしないっていうのが無くなったんだと。


「ラケシス様、一体そのお姿はどうして……」

「と、とても麗しくていらっしゃいますね」

「そうでしょう? うふふ、ちょっと運動をね」


 ラケシス様の派閥(あるんだ、そんなの)の女の子にはそれをこっそり披露。特にまずは側近(本人はお友達だと思っていた)で、その後割と仲のいい子たち(と本人は思ってるけど、家格の問題で近付けない取り巻きたち)にも声を掛けて、その子たちが大絶賛。我も我もと派閥が増大したんだって。まあ詳しい事は知らない。


 また、王妃様は王妃様で、隣国の王国(ティリスだっけ?)に近い家を除いてお茶会で宣伝しまくったんだと。お陰で体型でどっちの派閥か分かるみたいに言ってて面白かった。そりゃあ王妃様ぐらいの歳の頃なら脂肪もつくしシワも……アイタタタタ!? なんか恐ろしい深淵に触れた気がする。


 上級冒険者は嵐の運び手(ストームブリンガー)の皆さんに体験に来てもらった。こっちはお風呂を家で使わせたよ。もう何度も使ってるからね。


「トレーニングにはもってこいだけど、ちょっと料金が高いなあ」

「うーん、払えない額じゃないけど、これにお金使うなら美味しいもの食べたい」


 リンさんもエルさんもシビアだ。なお、トレーニングの後に家でご飯食べさせたら「最高!」って騒いでたから上級冒険者はあまり宣伝出来ないかもしれない。


 それでも、実はDPの入り方が冒険者の方が大きいというのが発覚。この際、警備目的って事で時々顔を出してもらうことに。


「警備目的はいいんだが……どう考えても俺たちよりもアリスさんどころか、そっちのトレーナーの兄ちゃんたちの方が強いだろ?」


 いやまあ強さ的にはそうなんですけど、アニマルズやうちのパペットたちだとDP入らないんだもの。なんで、ちゃんと報酬は出すからって事で依頼って形式に。


 で、そんなこんなで三ヶ月も経つと別の階層を改造するDPが貯まったらしい。なお、ご飯なんかはお金と引き換えにぼくが出してあげてる。和食が食べたいって泣くんだもん。そりゃあ出してあげるでしょ。作るのアインだけど。まあ、「ついでにご主人様も食べてください。でないと作りません」って言われたからぼくもここ最近は和食です。


 その効果なのか、お腹周りが最近スリムになった気がする。ズボン履いたらベルト必要になったよ! ちょっとびっくりだ。あ、全盛期で太ってた頃のじゃなくて、一旦痩せた時に買った服ね。


 ちなみにベルトが居るからってライ〇ーベルトを買おうとしたら怒られた。君の隣、(脂肪と)戦う度、生まれ変わるぐらいの感覚でベルトしたかった。なお、キックは足が上がらないから出来ません。


 で、だ。DPでスパリゾートですよ。まずは温泉。遊ぶ用のプールも欲しいけど温泉です。露天風呂、打たせ湯、炭酸泉、壺風呂、岩盤浴、サウナ、水風呂。これらをまずは設置。混浴にしよう!とか思ったけどこの世界の男女の格好が露出少なめなんで水着は広まってないらしい。まあ別に構わないけど。混浴の方が男性客増えそうなんだけどなあ。


 まず最初は体験入浴って事でぼくらだけ。女性の方はパペットたちと歩美さん。男性の方はぼくとアニマルズ。ううーん、これ、大丈夫なのかな?


「護様、深く御礼申し上げます」


 ぼくが露天風呂に浸かってるとアルタイルが来てぼくに礼を言ってきた。


「あ、うん、まあ、礼を言われる様な事はしてないけど」

「何をおっしゃいます。護様が居なければご主人様の生命もいつまで持った事か。そうなれば我らは」

「どうなったの?」

「理性を失い、果てるまで暴走したでしょうな」


 いや、アニマルズレベルが暴走したら周辺国家更地にならん? いや本当に危なかったわ。まあ歩美さんは他人の様な気もしなかったし、その、まだ女性としては喋りやすそうだったし。

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