表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
148/400

第百四十八話:降臨にも色々準備が必要なんです。

降臨するまで行かなかった

 レナさんに司祭様の事を説明。なんか信じられないみたいな顔をしてたけど、孤児院の子どもたちに仕事をくれたぼくの言葉だから聞かなきゃみたいになってるみたい。


「護の言ってるのは本当なのよ、信じて欲しいの」

「ミラがそう言うのであればそうなんでしょうね。ありがとうございます」


 ミラちゃんがフォローしたら秒で信じられた。これが信用度の差って奴か。きっとレナさんの中では

ミラちゃん>ワカープロ>>>(越えられない壁)>>>ぼく

なんだろう。いや、そりゃそうだろうけど。でもその辺の一般人よりは信用してもらってんだと思いたい。してもらってるよね?


「でもワカープロ司祭がそんな方だったなんて。とても紳士で優しそうな方だったのに」

「そういえばいつもやたらと触ってきてたのよ。今思えばだけど触り方もやらしかったのよ」


 よくよく話を聞くとミラちゃん始めとして、孤児院の女の子はだいたい触られた事はあったみたい。場合によっては男の子も。


 まあ、地球世界でも宗教家の性犯罪は割と頻発してたってニュースで見たよなあ。特に世界最大級の信者を持つあの宗教なんかは聖職者に独身をしいてるからそりゃあ歪んで性犯罪に走ってもおかしくなかったと思う。でもあれは男の子の方が被害多かったって話だけど。


「ううっ、こ、これは一体」

「お目覚めですか、司祭様」

「貴様!? なっ、なぜ私が縛られているのだ。解け、解かんか!」


 じたばた暴れ出すワカープロ。見苦しい事この上ない。


「司祭様……」

「おお、レナでは無いですか。これはどういう事か? 場合によっては総本山に報告する必要もありますよ! そうすればお前の資格も剥奪されますよ!」


 分かりやすく恫喝してきやがった。しかもぼくたちじゃなくてレナさんを。どういう経緯でレナさんがシスターになったのかは分からないけど、総本山に司祭が報告すれば剥奪されるのは想像にかたくない。


「ううっ、しかし、司祭様」

「しかしも何もありません。あなたは信仰に背くのですか? 神への反逆ですか!?」

「そ、そんな、フォルトゥーナ様、私はどうすれば……」


 そのフォルトゥーナ様の分身体なら家でポテチ食って寝てるぞって言いたかったけど、さすがにそんな事は口に出せない。


「ちょっと、護さん、護さんったら!」


 ん? 何か声が聞こえるなあ。なんかバストサイズを詐称していそうな声だ。


「別に今バストサイズは関係ないでしょう! それに角度によってはちゃんとあんな風に見えるのだから!」


 いや、洗濯板にどう角度つけても山にはならないんですよ。それより、今忙しいんですよ、フォルトゥーナさん?


「そこの仔羊から私を呼ぶ声が聞こえたのよ。ここは教会の側だし、護さんも居るしね」


 仔羊だなんてシュブ=ニグラスですか? いや確かに困って祈ってましたけど。


「私をあんなコズミックホラーな奴と一緒にしないで! それよりもそこに降臨するから」


 シュブ=ニグラスと知り合い!? あ、いや、それよりも降臨するって、下界に降りられないからフォルテを寄越したんじゃ?


「そのフォルテを使って降りるのよ。一緒に居るでしょ?」

「居ませんけど?」

「は? なんで? 護さんの側に仕えるように置いといたのに」

「横でポテチ食って寝てます」

「なんですって! 分身体のくせにズルい! ……じゃなくて、任務放棄してるの? 直ぐにここに連れてきて!」


 えー、ぼくについてくるつもりだったの? いやまあ確かに本体の側には居ますけど。


「あ、そうか。本体は家から出てないんだったわ。そうね、その身体はパペットでの分身体よね。それじゃあ本体ごとここに来て!」


 えっ!? ぼくの本体が行かなきゃなんですか? 無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理無理!


「つべこべ言わない! 孤児院の子どもたちと敬虔なシスターを助けたくないの?」


 助けたくないかと言われれば助けてあげたいですが、なんというか人前に出るのはですね、こう、ハードルが高すぎるというか。ほら、喋らないといけないし。


「もう! 引きこもりの能力レベルアップさせてあげるから出てきなさい」


 引きこもりのレベルを上げるために外出しないといけないってなんか矛盾してる気もするけど。というか能力使えばレベルアップするんだから引きこもれば引きこもるほどレベルアップしなきゃおかしいよね?


 などと言ってみたけど拒否権とかはなさそうなんで、アスカに命令してぼくとフォルテを迎えに来てもらう。


「え? 出掛けるの? いってらっしゃい」

「いや、フォルテも来るんだよ」

「ナンデ!? ほ、ほら、私は本体について居なきゃいけないし」

「お前の本体様が連れて来いって言ったんだよ。ほら、行くぞ」

「いーやーだー、ポテチ食べるー」


 アスカに頼んでフォルテを送り出した。そしてぼくは一切使うと思ってなかった【入城キャスリング】の能力を使う。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ