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マリス・ピッコリコ

マリス・ピッコリコはいつも元気【 少し先に進んだ日常 】

拙いと思いますが、生暖かい気持ちでお願いします。


前作読まれた方に感謝の気持ちを贈ります。

雰囲気そのままになるよう頑張りました。

ほのぼのとした気持ちになれる事を願っています。(/ω\)


今回初めての方も、ありがとうございます。

気に入って頂けたら嬉しいです。


ランクインありがとうございます。

創作の活力になります。

とても嬉しいです。


マリスのクリスマスシーズンの話を書きました。

読んで頂けたら、とても嬉しいです。

よろしくお願いいたします。


https://ncode.syosetu.com/n0237hz/

 



 アロハロー!!マリス・ピッコリコよ。

『アロハロー』は、ご機嫌いかが?って意味。

 これで皆も異世界人♪アロハロ~♪

 私は変わらずとっても元気よ。

 今インカゴールデンの山は真っ白な雪化粧で、威厳に満ち溢れてるの。

 リコの町も雪が降り積もり、サンタクロースが住んでる様よ。

 そしてこの世界にはクリスマスがあるの♪

 行事扱いなのかしら?ビックリするわよね(笑)

 だから前世を思い出した時、アレッ?!って気分よ。

 そして、先越された~!!って悔しさが込み上げるの。

 名前もまんま、()()()()()、捻れよ(笑)

 とにかく町はクリスマスの装飾で楽しげなの。

 フラフラと町歩きして、いろんな装飾を見ているわ♪

 たぶん私みたいな人がいたのね。

 だって、流れる曲もこれまた()()()()()()()なんだもの(笑)

 気になっちゃうわよね?私以外の人達の事を………

 クリスマステーマの曲を確認した事があるのよ。

 すると結構な数の曲があったわ。

『雨は夜更け過ぎに~♪』って、間違いなく日本人よね。

 だけど一人でこの数を思い出すのは、無理だしあり得ないの。

 たぶん複数居たはずだわ。

 そして皆クリスマステーマ曲を加えているのだわ。

 だって私も一曲加えたくて、最近頑張っているのよ。


 ”頑張れ前世の私記憶。せめて一曲でも捻り出せ!!”


 日々精進なのだわ、うん♪


「マリス何しているの?」


 あ!お兄ちゃんが私を見つけやって来る。

 そんなお兄ちゃんに見惚れる数名の女の子。

 私のお兄ちゃんは、前世で言う『綺麗系イケメン』なの。

 サラッサラに伸ばした銀髪と、キラッキラな空色の瞳でカッコイイ♪


「マリスは将来の展望を考えているのよ。」


「………将来?」


 お兄ちゃんが訝し気な表情で私を見ている。


「そう…… お兄ちゃんのお嫁さんと仲良くするには、どうしたらいいのか?」


「………………」


「とっても大切な事よ。乙女の心はデリケートで複雑なの。いろいろ今から対策しないと大変よ~♪」


 私はおばちゃん風に頬に手を当て、もう一方の片手はパタパタと振ってみる。

 そんな私を見るお兄ちゃん、呆れた様にため息をつく。


「馬鹿な事を言ってないで、早く家に帰るぞ。」(だいたい嫁はマリスだ)ボソッ


「お兄ちゃん何か言った?」


「ああ…… 寒いから早く帰ろう。」


「そうだね。お兄ちゃん♪」


 賑やかな町を後にして、お兄ちゃんと手を繋ぎ帰った。




 ところで私が抱き枕を作った事、覚えてる?

 あの後とても大切な事を想い出したの。

 それはよくある袋の一文。【取り扱い注意】

 アレ?っと思って、ジワジワ~と………


 こんな時、相談するのはお兄ちゃん。

 頼りにしているんだけど………

 お兄ちゃん最近元気ないの。

 私が渡した抱き枕、お気に召さないみたいだし………

 私の兄離れにお兄ちゃんすごく不満なの。

 でもお兄ちゃん、すっごくカッコイイじゃない。

 だからたくさんの女の子に嫉妬されて、嫌がらせされるんじゃないかしら?

 それこそ()()()()ならぬ、商人の()()()にされてしまうわ。

 ヒロインもどきに私「エイヤッ!」されちゃうよ。


 それもあって一人寝する事にしたんだけど……

 やっぱりこんな時には頼りにしているの。


「カイロに問題点?」


「うん、気になる事があったの。大丈夫かなって……… 」


 お兄ちゃんはフムッと考え、机の上に紙を準備した。

 私はドギマギしながら、恐る恐るお兄ちゃんを見る。


「わかった。それじゃあ説明してくれないかな?ゆっくりでいいからね」


「うん、お兄ちゃんごめんなさい。」


 涙目な私は説明して言った。

 その傍らでお祖父ちゃんとお祖母ちゃんを心配する。

 火傷や火事とか大丈夫かな?

 一応テスト期間設けたけど不安……


「つまりその錆びる現象で、熱が出ると思ったから塩を入れた。その熱を高める為に、空気を送り込む木炭を使う。そして持続させる為、火の魔石を入れた。なるほど……… 」


 お兄ちゃんは天井を眺め考え込み、眉間にシワを寄せている。


「熱の発生と火の魔石で火傷するかな?水を混ぜるのが正解だったの?でも持続できない。ウウウゥ…… お祖父ちゃん達大丈夫かな?凄く不安なの…… 」


 不安過ぎてダメになる。もう涙が止まらない……

 素人がうろ覚えで科学に手を出したらダメだった。

 とっても危険な事だったんだ。

 そんな私をジッと見つめるお兄ちゃん。


「マリス…… 危険な事をしたとわかってる?なぜする前に相談しないんだ?」


 お兄ちゃんは静かな声で、私を見つめたまま言った。

 言われて初めて、その事に気がつく。

 子供が一人でするには危険な事だったのに………


「ごめんなさい 」(´;ω;`)ウッ 


 大泣きです。めちゃくちゃ反省です。


「とにかく親父に相談しよう。まだ貰って一週間だ。お祖父さん達も大丈夫だよ。」


 お兄ちゃんは私の頭を撫でて、安心させるように笑った。

 そして私に再度言い聞かせる。


「マリス、始めになんて言わなきゃいけないんだ?」


「ごめんなさい。」


「それから?」


「もう危険な事は一人でしません。」


「そうだね。何かアイデアが浮かんだら、まず初めに家族に相談する事。俺達もそういう危険があると思わなかった。ごめんね、マリス。気づいてあげられなくて…… 」


 私は頭をフルフルして、お兄ちゃんに抱き着いた。 

 危険に気付かない私が悪いの。

 前世の記憶に胡坐を掻いた私の失敗だった。


 その後お兄ちゃんを交えて、お父さんに話をしたの。

 もちろん凄く怒られ心配された。

 お母さんは泣いちゃうし………

 よって、一週間の自宅謹慎とお手伝いの刑なったの。

 そしてカイロに関しては、お父さん達が再度調べたり検査したりしていた。

 それから2週間ほど過ぎた頃………


「マリス!お前が求めたカイロ製品が出来上がったぞ。ホラッ♪」


 私に渡されたカイロは、ほんわかと暖かく手にも柔らかで心地いい。

 中身がどんな風に調合されたのは危険だから内緒、秘密なんだって。

 もちろんお祖父ちゃん達にも同じ物が届いている。

 何でも温度の暖かさを選べる様だよ。

 さすがお父さん!凄過ぎる♪


 ホッと一息ついて安心した。


 その後も魔石のクズを使った研究は、続けられているの。

 時々お父さん達の話を一緒に聞いて、こんな物が出来ないかなって言うの。

 やっぱり化学って難しいし、よく解らないの。

 更に魔力まで加わったら訳がわからなくなるの。

 たぶん私、理科とか数学苦手だわ。

 うろ覚えでするには、危険なんだって身に沁みたの。

 だから私、これからきっちり相談するわ。

 確かこれ()()()って言うのよね。

 私しっかり学習したの。エライでしょ♪



 そんな事もあったけど、今ではなくてはならない抱き枕。

 冬のお供の必需品。私一人で寝ているの。

 お兄ちゃんには悪いけど、女の子はシビアよ。

 ごめんなさいなの。



「マリス、デザインは決まったの?」


 さて今日は何をしているか教えてあげるね♪

 これは冬の風物詩なの!


「お兄ちゃん、マリスはまだまだ考え中なの。」


 ウンショ、ウンショと雪の上を歩く。

 まだまだ子供な身体に、雪のお山は大変だ。


「マリス、抱っこしよう。」


 そう言ってお兄ちゃんが、ヨイショと抱き上げた。

 お兄ちゃんのお顔を見ると、鼻の頭が赤くなっている。


「真っ赤なお鼻のトナカイさん♪」


「フフッ、そういうマリスもトナカイさんだよ」


 そう言って、マリスの鼻の頭にkissをして降ろした。


「お兄ちゃん、鼻がスースーする…… 」


「トナカイと言ったマリスにイジワルの刑だ(笑)ホラ、寒いから、早くデザインを教えてくれ。」


 もう少し素敵な絵を描きたかったけど、わかってくれるかな?

 今から素敵な雪像を作る。今日は楽しい雪まつり♪

 私達ピッコリコもコンテストにエントリー中なの!

 がんばって優勝狙っているのよ♪


「これなの…… 」


 オズオズと差し出し、顔を見る。


「ホントにコレでいいの?」


「ウン!」


 不思議そうに私を見るけど、ちゃんと考えているんだよ。

 下手っぴな絵は許して欲しい。


「それじゃあ作るね。」


「どうぞよろしくお願いします。」


 お兄ちゃんから雪の上に降ろされて、ウンショ、ウンショ、と離れていく。

 邪魔をしない様に距離を空けてと………


 ズズズズズ………


 お兄ちゃんは魔法で雪のお山を作っている。

 ミニチュアサイズのインカゴールデンのお山だ。

 そしてその横にリコの町っぽく山を作る。


 ”羨ましいな。私も魔法があるといいなぁ”


 私もあと少しで8歳の儀式がある。どんな祝福かなぁ♪

 お兄ちゃんは祝福で魔法剣士を頂いている。

 遠目で見るお父さんとの鍛錬は、まるでゲームの世界みたいにカッコイイの。

 私のお兄ちゃんめちゃイケメン♪


「さて、大まかなのは出来た。細かい所は少しずつだな。」


「がんばるね。お兄ちゃん♪」


「何か秘策があるんだろう?教えてくれ。」


「ウフフ♪」


 お兄ちゃんは私を抱き上げ、耳を寄せる。

 だからその耳にコソコソと秘策を話す。

 それを聞いたお兄ちゃん、思わずニヤリ。


「さすがマリス。天才だ♪」


 不敵な笑み向けるその姿は魔王!

 バックの雪の城がとっても似合っている。

 そして未完成な私達の雪像、対比がヒドイ……

 まだまだこれから本番なの!!



 ピッコリコ兄妹の作った『クリスマス・リコ』というタイトルの雪像。

 最近開発されたエコ魔石という素材を使用している。

 その魔石はクズの粉末魔石を使用し、いろんな素材と混ぜ合成された物だ。

 今回リコの町を模した所に、家の明かりとして使われていた。

 それにより下から照らされたインカゴールデンの山は、壮言な姿と幻想的な雰囲気を醸し出す。

 今まで魔石は気楽に使える物ではなかった。

 だが今回エコ魔石の登場で状況が一変。

 おかげで新たな可能性を秘めた手法として、注目される事となる。


 ついでにマリスは……


「クリスマスツリーに、ピカピカがないと可笑しいの。絶対ピカピカは必需品で、イルミネーションは必須なの!!」


 と、力説していた。




「お兄ちゃん寒い…… 」


「暗くなって来たからね。しっかりしがみ付いているんだよ。」


 ザックザックと私を抱えて歩くお兄ちゃん。

 口から出る白い息が私の頬を撫でる。


「お兄ちゃん、大変……… 」


「平気だよ。マリスは軽し暖かいからね。」


 雪像作りに疲れ果てた私。

 ごめんね、お兄ちゃん。


「早くお家に着かないかなぁ…… 」


「そうだな。雪の道はなかなか前に進まないよ。」


「犬ぞりがあったらいいのになぁ。」


「犬?何それ??」


「魔犬の事。そりって乗り物を引っ張て貰うの♪」


「ん~…… 魔犬は無理だろう。魔狼もだ。素直に乗り物を引くとは思えないよ。」


「そうかぁー、残念…… 」


 思うままにはいかないなぁ。


「でも雪の時に使う乗り物が、あったら確かに嬉しいよ。さぁ、あと少しだ♪」


 ホントだ!家の明かりが見える。


「もう一息だね。ありがとう、お兄ちゃん。」


「俺も暖かいからお互い様だよ。」



 家に帰るとコタツでくつろぐ、お父さんとお母さん。

 テーブルの上に美味しそうなお鍋が、グツグツ音をたてている。


「おかえり、ジュリアス、マリス。寒かったでしょ。あったかお鍋を作ったのよ♪」


「寒かったな。二人とも鼻やら頬やら真っ赤だぞ。ホラ、さっさと入れ(笑)」


 お家にコタツさんがいる?!

 ついでにお鍋の下にはヒーターさん!!

 うちのお父さん凄い!!

 やっぱり寒い冬にはコタツにお鍋だよ♪


「お父さんが作ったの?」


「ああ、エコ魔石で作ったのさ。カイロの応用で、火の魔石と木炭と他いろいろと混ぜて加工し固めた。ただ暖かさ調節機能はまだ無理でな。まだまだこれからだ♪」


「薪の節約にはなるね。」


 お兄ちゃんは言いながら布団を開け、お父さんに寒いと怒られている。

 私はサッと入ってヌックヌク♪

 最高だー♪幸せだー♪

 だけど…… 


「お父さん、コタツもうちょい低くてもいい。」


「そうか、次回検討だな!」


「ハア~…… 冷えた手に暖かさがしみわたる。」


「ジュリアス、爺くせぇぞ!」


「ホラ、さっさと食べなさい。暖まるわよ♪」


「「いただきます♪」」


「ハイ、召し上がれ♪」


 今日も一日楽しかったなぁ♪


 お鍋とコタツで暖かにくつろぐ。


 リコの町の夜は、穏やかに更けていった。





読んでくれて、ありがとうございます(*´ω`*)


続編検討中です。連載にしようか悩み中。

クリスマス近くにまた続編投稿したいと思っています。

楽しみにして頂けたらと思います。

どうぞよろしくお願い致します。


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[良い点] クリスマスソングのそろいっぷりに、覚醒者・日本支部の本気を見た。目立たない(歌の天才とか残らないよう)でも確実に増やすその手腕、見事なり! 魔石に魔法、お父さんが凄くてマリスちゃん、かす…
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