メグミのダンジョン攻略 その4 突破!再会!
メグミです。
ダンジョンで分断されたカヒトを見つけた!と思ったけど偽物だって。
つまり、あれはカヒトの姿を真似してるモンスターか何かって事だね。
何のためにそんな事をしてるのかっていうと……まあ、私たちをだまそうとしてるんだよね。
私たちはその人がカヒトじゃないってわかってるけど、相手はまだバレてないと思ってるみたい。後ろ歩きしながら手招きしてる。
「ああして、私たちを罠に誘い込むつもりだろうね。手を変え品を変え……。」
と、ツムギちゃん。
「ご苦労さんだねぇ。」
私も言った。
「そんなのんきなことを言っている場合ではありません。マスターのお姿を真似るなどという不遜。許せる事ではありません……。」
スラ子ちゃんの声の調子はいつもの通り。でも、なんだかピリピリする。もしかしてデンキ?を起こしてるんじゃ……。
「ス、スラ子ちゃん。お、穏便にね……。」
「だめです。終わりです。」
スーッと私の体から何かが離れていった。冷たい空気が肌をなでる。
さ、寒い!あ、スラ子ちゃんが私から離れたんだ。一体、どうするつもり?
私たちの、すぐ目の前に半透明のカタマリが膨れ上がってきた。大きな丸いカタマリ。通路の上下左右、ギリギリの大きさだ。
「スラ子ちゃん!」
大きなカタマリはいきなり、すごい勢いで転がり始める。私たちの方ではなく、ニセカヒトの方へ。
『終わり』というのは、ニセカヒトの事みたい。
半透明のスラ子ちゃんを通して、向こう側がうっすら見える。
ニセカヒトが慌てて逃げてる。でも、逃げ切れないね、あれは。
ニセカヒトの逃げる方向は行き止まり……じゃなくて、左に曲がる角がある。その角にたどり着く前に、スラ子ちゃんはニセカヒトにぶつかって、そのまま転がり続ける。
「スラ子ちゃん!壁にぶつかるよ!」
ドーーーンッ!
スラ子ちゃんはそのまま壁に激突。巻き込んだニセカヒトも一緒に。
跳ね返されるかと思ったら、壁を突き抜けて向こうへ行っちゃった。
ドーーーンッ!
私とツムギちゃんは急いであとを追いかける。あれ?崩れた壁の向こうから、外の光が差し込んでるみたい。
スラ子ちゃんは壁を2枚、突き抜けて崩しちゃってた。つまり1枚目と2枚目の壁の間に通路があったんだね。
その通路にはまた、カヒトがいた。
「おお!メグミ、ツムギ。ダイナミックな登場だな。」
「……えっと、ツムギちゃん?」
「あれは本物のカヒトさんです。」
「本物の?ってなんだ?」
と、カヒト。
「うん。さっき、偽物のカヒトが居たの。スラ子ちゃんがつぶしちゃったけど。」
スラ子ちゃんが崩した2枚目の壁は外壁だった。そこから外に出られそう。
大きなカタマリのスラ子ちゃんはもういない。いつの間にか私の肌寒さもなくなってるから、元通りに私にくっついてくれてるみたいだね。
外にはニセカヒトが倒れている。仰向けになって、動かない。
「おお!そっくりだな!」
カヒトがニセカヒトを見て言っている。
「えー?全然違うよ。」
と、ツムギちゃん。
「そうです。全然違います!」
とスラ子ちゃん。
「スラ子さん。さっきは気づかなかったのにー。」
ツムギちゃんが意地悪なことを言う。
「あ、あれはその……。一瞬とはいえ、私がマスターを見誤るとは。一生の不覚です。」
「なんだか知らないけど、みんなが無事でよかった。」
カヒトが言う。
「うん。スラ子ちゃんとツムギちゃんのおかげだよ。」
「ああ、ちょっと力技だけど、こうして外に出られたのもスラ子のおかげだな。」
「あ、偽物が目を覚ますよ。」
ツムギちゃんがニセカヒトを指さして、言った。
ガバッと起き上がるニセカヒト。その姿が、モヤがかかったみたいにけむっていく。
後に現れたのは小さな、ゴブリン?それが3匹、肩車して重なっている。
「絵が描かれていた板を運んでいたのと、同じモンスターですね。」
スラ子ちゃんが言った。
小さなゴブリンは慌てている。後ろの森に逃げ込めばいいのに、私たちの後ろのダンジョンに入りたいみたい。
右往左往して、3匹で何か相談して。
結局ダンジョンの外壁に沿って左の方へ逃げていった。
振り返ると、崩れた壁の左側には私たちが入っていった入り口がある。扉は閉じてるけど。
「なんだ。結局入ってきた所に戻ってたんだね。」
と、私は言った。
「ああ、俺は二人とはぐれた場所からほとんど動いていない。スラ子が待てって言うから。」
「マスターが動かれるとしても、ダンジョンの構造を完全に解明してからと思ったのです。」
「私たちは行き当たりばったりで進んでたけどね。」
「カヒトさん。昼食にしませんか。」
ツムギちゃんが言った。そういえば私もお腹がペコペコだ。




