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8日目

 ―8日目―


 次の日の朝。


 メグミが俺の腕に絡みついて、平和な寝息をたてて寝ていた。

 あまり寝返りが打てなくて体が凝っている感じだ。が、満ち足りた気分で目を覚ました。

 メグミを見る。なんだかつやつやしていつもよりきれいだ。気のせいかな?一線を越えてみる目が変わったからだろうか。


 程なくしてメグミも目を覚ました。お互いに照れながら朝の挨拶をする。もちろんスラ子とも。スラ子に照れはない。そういうものか。


 宿の食堂で朝食をとりながら今日の予定を話した。昨日はそれどころではなかったからな。

 まあ、鉱山での採掘が途中になっているので、その続きをすればいいだろうという事になった。


 ……しかし、なんだかやたらと照れてしまう。メグミの顔をまともに見れない。

 メグミもそうらしく、ふと目が合うとほっぺたを赤くして目を逸らされる。……かわいいな。


 結局以前よりもよそよそしくなってしまった。少ししたら慣れるだろうけど。

 朝食はいつもと同じパンにスープ。季節ごとの違いはあるのかもしれないが基本的には毎日同じらしく、さすがに飽きてきた。

 メグミはスラ子にスライム団子を貰っている。俺もそうする事にした。


 朝食を終え、鉱山に向かう。

 道中メグミとはぎこちないので、スラ子に気になっていることを聞いた。

「スラ子、視覚はどうだ。色はわかるようになった?」

「はい、マスター。色によって光の種類が違うのがわかるようになってきました。」

「光の種類か……色のイメージはあるか?例えば、赤は情熱(じょうねつ)的な色、緑は落ち着いた色というイメージなんだが。」

「イメージですか……申し訳ありません。よくわかりません。」

「別に謝る必要はないよ。俺とスラ子では種族が違うし、おかしいことはない。」

 赤は血の色なので興奮(こうふん)するというのは赤い血を持つ生き物特有だろう。自然を感じる緑色で落ち着くというのもスライムには関係なさそうだ。


「文字の方はどうだ?」

「文字についてはこの街で使われているものはすべて理解できました。マスターのおっしゃる日本語も教えていただいた分は大丈夫です。」

「昨日の今日なのに……相変わらずスラ子は(すご)いな……」

「ありがとうございます。私の一部は本屋に行って、ずっと本を読んでいますのでその分覚えが早いとは思います。」

「立ち読みか。いいのかな……スラ子は内容を全部覚えちゃうんだろう。……まあ、また後で何か買うか。バレてはいないんだよな?」

「私は明かりがなくても見えます。夜中や、人が居ない時にこっそりと読んでいます。」


「まあ、ほどほどにな。あと、森と違って落ち葉なんかはないけど、スラ子は食べるものは困らないか?」

「はい。食べるものは森よりも豊富(ほうふ)にあります。人がたくさん住んでいる場所ですので。」

「……そうか、詳しくは聞かないことにするよ。ただ、人由来(ゆらい)のモノはスライム団子の原料にはしないでほしいな。」

「わかりました。一度分解してしまいますので、何が原料でも同じですが。」

「……気持ちの問題だ。」

「スラ子ちゃん。私のその……老廃物(ろうはいぶつ)を原料にしたスライム団子をカヒトが食べてたりは……しないよね。」

「お二人の体から出たものは私の栄養として使わせていただいています。スライム団子には使っていません。」

「そっか。……よかった。」

「気になるものですか?」

「うん。……気持ちの問題。」

「気持ちですか……。よくわかりません。」


 カプフェル鉱山はにぎわっていた。

 鉱石買取の業者はドワーフの3人組以外にも二組が居て、採掘者もざっと数えただけで10人は居る。

「よう、早いな。」

 赤ら顔のドワーフがこちらを見つけ挨拶を交わす。他の二人は接客中だ。

「おはよう。今日はずいぶん人が居るな。」

「うわさが広まってるからな。ありがたいことだ。またお前達が採掘してきてくれれば、(うわさ)は噂でなくなる。」

 一昨日俺たちがこの鉱山で大量に鉱石を採掘した事で人が増えたわけだ。

「ははは。そう、うまくはいかないだろうけどな。道具を貸してくれ。」

「ああ、用意してある。(かせ)いで来い!」


 人目があるので採掘場所の縦穴を登るのに苦労するかと思ったが、2回目だったこともあり慣れたもので、人のいない間にさっさと登ってしまった。というより、スラ子が引き上げてくれたので何の問題もなかった。

 スラ子は滑車の応用だというが、単に引き上げる手が増えれば増えるほど小さい力で済むという事を発見したようだ。今後も色々な場面でお世話になりそうだ。


 一昨日(おととい)の採掘場所はそのままだった。幸い昨日は誰にも見つからなかったらしい。

 あまり奥へ進む必要も無くいくつかの鉱石が見つかり、下から突き出ていた鉱石もさらに削り取ることができた。

 ランタンの油にはまだ余裕があったが、一昨日より少し多いくらいの鉱石が採掘できた。


 二人で一度に採掘できるのはこの辺りが限界だろう。スラ子は大人数人分の力があるだろうが、おおっぴらにできない。


挿絵(By みてみん)

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