パーティーネームは……
「皆さんのパーティーネームは……。」
ルイが俺たちに聞く。
もちろん、そんなものは無い。
「でしたら、今決めていただけるとありがたいですわね。パーティーネームは冒険者ギルドに登録する必要がありますから。」
「ええと。そもそも俺とツムギは、冒険者ギルドのメンバーとしてすら、登録してないんですけど……。」
「ははは。そんな事だろうと思ってたよ。悪いけど、今から登録してくれるかい。メンバー登録、その後パーティー登録。いくつか教えて欲しい項目があるんだけど、言えない事は言えないで良いから。」
という事で、俺とツムギは冒険者ギルドのメンバーとして登録した。
名前、性別、生年月日、ジョブ、使用武器などの項目があるようだ。が、マリーは名前以外は空欄で良いという。
一応ジョブは、俺が魔法使い。ツムギは戦士とした。ちなみにメグミのジョブも戦士だ。
「これで二人は冒険者ギルドのメンバーだよ。次はパーティー登録だね。パーティーのメンバーは君たち3人でいいんだよね。あとは、パーティーネームがあればいい。名前は何にする?」
パーティーの名前か。さて……。
一応、パッと思いついたものはある。
スラ子とメグミ、ツムギにその名前を聞いてもらう。
「私は良いと思うな。」
と、メグミ。
「私たちにぴったりだね。」
と、ツムギが言う。
「スラ子はどうだ?」
「……私は……。いえ、マスターの思うように。」
「ルイさん、マリーさん。パーティーネームが決まりました。」
「良かったわ。」
「パーティーネームつけるのって、拗れる時は、ひたすら拗れるからね。」
ルイとマリーが言う。
「俺たちは、『なんでもできるスライム』です。」
「……なんでも、できる……。」
と、マリー。
「……スライム?」
と、ルイが言った。
あ。これ、思ったより恥ずかしいな。
「あっはっは。変な名前。」
と、マリーが容赦なく言う。
「変なお前たちには丁度いいな。」
と、ザンギエフが口をはさんだ。
「でも、『なんでもできる』とは、大きく出たねー。」
と、マリー。
「『なんでもできる』が誇大広告とは申しませんわ。あの橋を見たら、マリーも納得でしょう。なぜ『スライム』なのかは分かりませんけど……。」
と、ルイが言う。
「うんうん。良い名前かもね。じゃあ、『なんでもできるスライム』で登録しておくよ。」
何度も言わないでほしい、何か恥ずかしくなってくるから。
「急なお願いにもかかわらず対応して頂いてうれしいですわ。エンブレムとほかの報酬はすぐに用意致します。では、私はこれで。」
そう言って、ルイは出て行った。
俺は休憩所の椅子に腰かけ、スラ子に話しかける。
「パーティーネーム、スラ子は本当に嫌じゃなかったか?」
「マスターの考えるようにしていただくのが一番です。ですが、パーティーネームの『スライム』は私の事でしょうか。」
「もちろん。」
「流石に、私は『なんでもできる』とまでは言えないと思いますが……。」
「そうだなぁ……。でも、俺にはスラ子に出来ない事が思いつかないんだよなぁ。」
「……恐縮です。」
「まだまだスラ子のポテンシャルを引き出せてないと思う。これからもムリを言うけど、よろしくな。」
「はい、マスター!」
メグミとツムギはマリー、ザンギエフと話をしている。
「メグミたちが一緒に来てくれるのが一番なんだがな。」
と、ザンギエフ。
「そうだね。一度ダンジョンに入った経験者がいるとありがたいけど。」
と、マリーが言う。
どうやら、湿原の森のダンジョンの事のようだ。
「うーん……。またあのダンジョンに行きたいかって言われると……。」
「私も。」
メグミとツムギはそう答えた。
「カヒト、冒険者ギルドがチームを組んであのダンジョンに行くって言ってるけど、どうする?」
とメグミが俺に言った。
「申し訳ないですけど、気が進みません。」
俺はマリーに言った。
「そっか。もちろん無理強いはしないよ。とりあえず冒険者ギルドとしては、一度は調査しておく必要があるんだ。」
「協力できなくて申し訳ないです。ダンジョンのマップなど、俺たちが持ってる情報は伝えますので。」
「うん。助かるよ。」




