表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
112/320

マッサージと報酬額

 おいしい食事を食べ(流石に半分以上残した)、ベッドに入る。

 特に疲れてはいないし、まだ体が痛いのでなかなか寝付けない。

「カヒトさん、眠れないの?」

 と、ツムギが声をかけてきた。

「ああ、ちょっとな。」

「私がマッサージしてあげようか?」

「いいのか?じゃあ、頼もうかな。」

「うん。任せて。」

 俺はベッドにうつぶせになる。ツムギは俺の背中にまたがり、小さな手でマッサージしてくれる。

 確かに気持ちいい。が、どうもツムギは俺が痛がるのを喜んでいる感じだ。

 痛いポイントを押され、俺がのけぞると背中から妙に楽し気な声が聞こえてくる。


「あ、ゴメンなさい。ここ?ここが痛いんですか?ねえ、カヒトさん。痛い?」

「いたたた……。ツ、ツムギ……。もう少し優しく……。」

「もー……。カヒトさん、あんまりおっきい声出すとぉ、メグミさんが起きちゃいますよー?」

 耳元でそんなことをささやくツムギ。

「そんなこと言っても……。()っ……っっっ!」

「クスクス……。ほーら。がまんがまん。おとこのこでしょー……。」

「み、耳元でいうの……やめて……。」


 ここぞとばかりにSっ気を発揮するツムギ。

 ツムギがザンギエフをイジッているときは面白がって見ていたが、いざ自分がされると、ちょっと倒錯(とうさく)した快感を感じてしまう。


 その後も俺はツムギのマッサージを受け、痛がり疲れて、いつの間にか眠ってしまった。

「もう、おねむなのー?クスクス……おやすみなさい、カヒトさん。」

 夢うつつの中で、そんな声を聴いたような気がする。そして、ほっぺたにキスをされたような気がする。


 —19日目—


 翌朝。

 体が軽い。筋肉痛がこれ以上長引かなくてよかった。

「昨日マスターがお眠りになった後も、ツムギさんがマッサージを続けてくれたおかげでしょうか。」

「ちょっ、スラ子さん!それは秘密だって言ったのに……。」

「そうなのか、ツムギ。」

「べ、別に……。いつも色々お世話になってるから……。」

「ありがとうな。」

「……。」

 真っ赤になっているツムギの頭をポンポンとなでる。


「……。仲が良くって、ほほえましいねー。」

 扉の所で、俺たちのやり取りを見ていたメグミが、ほっぺたを膨らませて言った。

「メグミ。えっと……おはよう。」

「フンッだ。……おはよ。支配人さんが、「朝食は下の食堂でどうですか」だって。」

「町長とルイさんもおられるようですね。」

 と、スラ子が言う。

「分かった。すぐに行くよ。」


「おはようございます。良く眠れましたか?」

 食堂に行くと、町長がそう言って迎えてくれた。

 宿の支配人と、スラ子の言う通りルイもいる。

「おはようございます。おかげでぐっすり眠れました。」

「それは良かった。朝食のご用意をいたしました。すいませんが、ご一緒させてください。」

 と、支配人が言った。

「もちろん。」


「改めて、立派な橋を架けていただき、お礼申し上げます。この街の抱える問題の一つが解消されました。」

 町長が言う。

「報酬の件ですが、私とルイでちょっと話した限りでは、金額にして5000万ゴールドほどが妥当かと……。」

「!!!」

 ご、ごせんまん???


「私は、1億ゴールド以上の価値が有ると思うんですよ。でも……。」

 ルイが、こともなげに言った。

 いちお……。


「流石に、そんな大金は用意できません。まあ、大店(おおだな)から借りるという手もありますが。」

「ちょ、ちょっと待ってくださいっ。私たちはそんなつもりでは……。」

 と、俺が慌てて言った。

「そうです!いくら何でも、多すぎますっ。」

 と、ツムギ。

 メグミはあまりの事に呆けている。


「ははは。まあ、落ち着いてください。皆さんにとっては、それほどの事でもないかもしれません。しかし、実際ルイの言う通り1億以上の価値が有る事をしていただきました。」

 と、町長が言う。

「今までのつり橋は、いつ落ちてしまうか不安という事もありましたけど、幅が、小さな馬車がギリギリ通れる程度でしたわ。皆さんの架けられた橋は、普通の馬車がゆうゆうすれ違える大きさで、しかも石造りの橋。」

 と、ルイ。

「あのつり橋がネックで、これまで港町とはあまり交易が盛んではなかったのです。ですが、これからは違います。港町の海産物をこの街へ。この街の農作物を港町へ、更に遠くの街に……。得られる収入は計り知れません。」

「そういう訳ですから、遠慮なさらないでくださいな。」

「……ありがとうございます。ちなみに、5000万ゴールドって、量にするとどれくらいに……。」

「そうですねえ。そこにある酒樽に金貨を詰めて、1000万ゴールド。それが5つ分といったところですね。」

 町長はロビーの隅に積まれている1メートルくらいの、やや小ぶりなお酒の樽を指して言った。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

↓↓↓クリックしていただくと外部のランキングサイトにて投票されます↓↓↓
ただし、外部サイトへジャンプしてしまうのでご注意ください

小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ