猿人?
(よかった。食べ物の確保は出来たし、自動操縦で1日はゆっくりできるわね。船内の清掃をプログラムしてっと。買い物できる星ってどんなとこなんだろ。)
コックピットで地図をチェックしながらセシは一日でつくその星を想像した。
(人の食料がてにはいるってことは人が住んでるってことよね。単純に。)
ががかがんーがんっ。
鈍い音が船外から響いてくる。
(なっなに?)
窓から外を覗くとそこには目を疑うものがあった。
(ひっ人だーっしかも、なんか怪我してるっぽい。)
セシは慌てて宇宙服自動装着装置に入ると宇宙服を装着し酸素ケーブルのチェックと巻き上げ装置のチェックをして船外に飛び出した。
(大丈夫かしら。とりあえずと、)
船内に連れてはいる。
宇宙服を脱ぎ、自動収納ボックスに放り込む。
助けた人の宇宙服も脱がすとそこに入れた。
この装置はじいさんの手製で、ほつれ破けを見つけつくろってくれ、自動装着装置にセットしてくれる優れものだ。
宇宙服を脱がせて助けた人間が地球人でないことと性別が男性である事が判明した。
(人型ではあるのよね。でも、この肌の色といいしっぽといい、これは同属ではないわね。猿人かしら。とりあえず再生槽に放り込んでと。)
外部口のそばにある緑色の液体をたたえたカプセルの中に助けた者を入れる。
この装置はこの時代のどの船にも標準装備されている遺伝子レベルでの再生治療をしてくれる装置だ。
これに入れば損傷した細胞を元通りにしなおしてくれる。
ただし、この装置は怪我にしか効かない。
(食いぶちが増えたけど食料は大丈夫かしらね。とにかく目が覚めないことにはどうしょうもないわね。)
再生槽を眺めているとぱちりとその中の者が目をあけた。
カプセルを開いてその者を出す。
「▽□○?♪▽○」
(あ、翻訳装置・・・)
その者ははっとした顔をしてから胸の辺りを叩いた。
「あーあー。・・・スイマセン。接触がわるぅで。」
と、言ってにへっと笑った。