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ねずみ

(ああっ茶葉もないんだっけ・・・しくしく。)

 紅茶をいれてしょうがなくティータイムにしようと思っていたセシはキッチンでポットに湯を入れてからそれに気がついた。

 仕方なく、クッキーをほうばりながら荷物チェックを行う。

(えーと、食品全般と・・・あ、ペーパーも切れてる。これないとまずい。それから・・・後はいいみたい。あ、そだ電信チェックしとこ。)

 入るものリストを作成しつつクッキーをぼしぼしたべる。

(「音声、電信」)

 セシがそういうとぶおんという機械音と共にすりガラスのようなモニターがセシの目の前に現れる。

 モニターから女の声で

「おはようございます。セシ。現在時刻世界水準時計六時二分。何をチェックしますか。」

と聞いてきた。

(「おはよ。まずは電信がないか教えて。」)

「はい。電信は三件受信しています。内容一件目、アース・菅尾武治五十六才・商品を一台届けたし・代金は代引きで。二件目、プロレシア・シンドラールリステルス27万才・商品を二万台届けたし・代金は先払いで口座に入金確認ご配送たのむ。三件目、じいさんの電脳よこせ。です。」

(「最後のやつなにそれ。」)

「詳しい情報がない事から公衆電信・無記名・無免許での送信と思われます。」

(「了ー解。それから艦内に食品となるものがのってないかチェックを」)

「了解。只今十パー、三十、五十、七十、百。食品は商品庫六番にて活動中。そのほかはキッチンのうわだなに乾燥したものがいくつかあります。」

(「活動中・・・って宇宙ねずみ?虫は嫌よ。」)

「はい。ねずみのようです。」

(「オッケー。よかった。じゃ捕獲に行くわ。あなたも手伝ってね。」)

「了解。」

(宇宙ねずみ。結構いけるのよね。電子銃は最弱でそろりそろり行かなくちゃ。)

 キッチンに忍び足で向かうセシの後ろからモニターもサイズを最小にかえついて行く。

 そろっとキッチンのドアを開けると中でがたんがたんと音がする。

音を頼りに近づいてシンクのしたの棚にいることが分かる。

手でモニターに合図を送ると棚をぐるっと囲むように変形した。

(「行くわよ。せーのっ」)

 セシが棚の扉を開ける。

ねずみは驚いて表に飛び出るがモニターの作った柵のためそれ以上逃げられずおたおたしている。

そこすかさず銃を向けるとちてててと電撃をはなった。

ぐったりとねずみがするのを確認してセシはねずみをぐっとつかむとシンクにおいてねずみの首をひねって殺した。

(「ありがと。これで晩御飯はオッケーよ。あ、棚に乾いたものがあるって言ってたわよね。」)

「はい。」

(「ちょっと何か見てもらってもいい?」)

「了解です。」

 セシが棚の扉を開けてやるとモニターが見たものを画面に写した。

(「それ・・・マカロニじゃない。やったー。リッチなディナーが用意できそう。他にはないの?・・・げげ・・・ゴキブリの死んだの・・・ん、それは・・・・電脳チップ?)

「はいそのようです。」

 セシは脚立をキッチンの端から取ってくるとそれにのる。

マカロニとチップを取った。

(随分古いわね。食品保管チップ。品質保持期限・・・・まだ大丈夫みたい。「何が入ってるか分析して。」)

 そういうとモニターにチップを近づけた。

モニターにチップは吸い込まれていく。

「これは、昔はやった圧縮食料ですよ。よかったですね。二、三日ならこれで生活可能です。」

(「へええ。面白いわね。よかった。これで安心だわ。食料が手に入らなかったら船外で狩りをするつもりだったから。」)

「それはそれは。」

(「音声・オフ。」)

「それではまたのちほど。」

 モニターがそういって消える。

セシはマカロニとねずみを冷蔵庫に放り込んでコックピットまで戻った。

 

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