ステキのヒミツ―花かんむり屋のメイメイ―
タヌキのポルポルには、どうしてもたしかめたいことがありました。
それは、花かんむり屋さんのメイメイのヒミツです。
「どうしたら、あんなにステキなものを作ることができるのかしら」
くりねずみのメイメイの作る花かんむりは、どうぶつたちみんなのあこがれでした。
赤や青や白、黄色やだいだい色。
すばらしいお花を、うつくしくたばねて作るかんむりを、みんなかぶってみたくてたまりません。
ポルポルもステキな花かんむりがほしくてたまらないのですが、自分で作ってみてもちっともうまくできません。
せっかくのかんむりも、お花がちぎれたりまがったりしてなんだかボロボロ!
ポルポルは、がっかりして言いました。
「ちっともうまくできないわ」
毎日ステキなかんむりを作るメイメイは、いったいどんな技をもっているのでしょう。
きっとヒミツがあるはずです。
ポルポルは、メイメイの花かんむり屋さんを、そっとのぞきにいくことにしました。
「いそがしい、いそがしい」
メイメイはお店の中でたくさんのお花にうもれてお仕事をしていました。
ポルポルはびっくりしました。
メイメイのちいさな手は、目にもとまらぬはやさでかんむりを作ってゆきます。
このはやさがヒミツなのでしょうか。
やっぱりメイメイはとくべつな力をもっているのです。ポルポルにはまねっこできない芸当なのです。
ポルポルはすっかりしょんぼりしてしまいました。
メイメイのお店はきょうもだいはんじょうです。
おきゃくさんがひっきりなしにやってきます。
「いらっしゃいませ! ご注文の花かんむり、できていますよ。きっとおにあいですよ」
メイメイはすばらしい作品をみんなにわたします。
フクロウの奥さんにはスミレの花かんむり。
シカの娘さんにはサクラの花かんむり。わかい娘さんは、かんむりがうれしくてたまらなくて、とびはねてたずねました。
「あなたの花かんむりは、どうしてこんなにステキなのかしら?」
メイメイは、はずかしそうに答えました。
「たくさん、作ってきたからですよ。しっぱいをいっぱいして、でも、もっとステキなものを作ろうって、たくさんがんばったんです」
じっとそれをみていたポルポルは、スンと鼻をならし、でもちょっとにっこりして、お家へ帰ることにしました。
そしてもういちど、花かんむりを作ってみようと決めたのでした。
おしまい
自作童話メイメイとマールの花かんむりのちいさな続編でした。
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