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燃えろ!ツタンカーメン部  作者: 片桐青
ツタンカーメン部って何だ?!
7/25

07

「おっ。来たか。」


菊池は部室の長椅子に寝転んだまま、やって来た島崎を迎える。


「ところでさ、お前何て名前なの?」

「島崎惣です。…1年です。よろしくお願いします。」


島崎が軽い自己紹介を終えると、菊池はのっそりと起き上がった。


「島崎な。よろしく。俺は菊池悠馬(きくちゆうま)。名乗るのが遅れたな。」

「あっ、はい。よろしくお願いいたします。ええと…僕、何すればいいですか?」


まだ道具が何も揃っていない島崎に、いきなり部の練習に参加しろとは言えない。菊池は考えた末に、こう言った。


「マネージャーやれ。サッカー部の。前にサッカーやってたんだろ?多分今の女たちよりは使えるだろうし。」

「あっ…は、はい。」


女の子の中にいきなり入って、大丈夫なんだろうか。島崎は今から嫌な汗がかきそうな勢い。


「そんな怖い顔すんなって。俺が誘ったって言えば、誰も文句なんて言わねえよ。」


それもそれで何だか複雑な話である。絶対に島崎のクラスメイトも、サッカー部に存在しているだろう。だから部活に入らず、帰宅部を選んでいたと言うのもある。


「いずれ、ユニフォームとかシューズとか揃えたらちゃんと練習にも参加させてやっから。」


菊池はそう島崎に言うと、にっこりと笑う。島崎はその笑みが怖くて仕方なかった。


「あの…」

「どうした、島崎。」

「やっぱり、いきなり部に入るのはちょっと…」


遠慮する島崎に、菊池は眉を顰める。


「何をそんなに怖がってんだよ?」


まさか、僕いじめられてるんで…クラスメイトが怖くて…なんて口が裂けても言えない。


「使い物にならなかったら、どうしよう…と思いまして。」

「そこは大丈夫だって。今の女マネも全然使えねえし。そろそろクビにしようかって話してたぐらいだからさ。」


マネージャーをクビなんて聞いたことがない。だが、この学校にはそんなことが存在する。


「心配すんなよ、島崎。」

「…はい。」


島崎は大五郎のことを考えていた。放課後に大五郎のところに寄らないなんて、今まで一回も無かった。大五郎に会いたい…。島崎は心の中で呟いた。

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