★お前は知ってるよな
「見つけた!!」
風見はコソコソ隠れながら移動するナギを見つけた。ナギは「うわっ、最悪」と言って、ダッシュする。今度は障害物がない、廊下での追跡。先程とは違い、今度は撒くのは不可能だった。
「ラッキー、この先は!!」
風見はニヤリと笑う。建物内の地図が頭に入っている風見にとって、地の利はこちらにある。この先が行き止まりである事を、ナギは知らない。
近くにあった内線で、建物全体に呼び掛ける。
そして案の定、ナギをアッサリと追い詰めた。
「あんたにしては、墓穴を掘ったわね」
風見の後ろから、ゾロゾロと警備隊が集まってくる。風見の部下は、どうやら先にのした奴等だけではなかったようだ。
「それはどうかな?」
多勢に無勢、ナギに勝機はない。
その筈なのだが、ナギは不敵な笑みを浮かべポケットに手を突っ込んだ。そしてパラッと粉を零しながら何かを掴んだ拳を、横に向ける。その下には、貯水槽があった。
まさか、と風見は顔を真っ青にした。
「今、私は此処で製造されたアルミニウムを持っている。そして今から5を数えたら、手を放す」
ナギは高々と宣言した。嘘でもハッタリでもない。何故なら、ナギは能力を使って宣言した。
苦々しく顔を歪める風見に、ナギはしてやったりと言う顔をしてみる。
「私の能力がどんな物か、お前は知ってるよな」
ナギの能力、それは宣誓。
述べた事が絶対に真実である事を、真理が保証する能力である。
これの凄い所は、ナギがこの能力を持っていると知らなくても、ナギが能力を使用して宣誓した時点で相手もその能力を理解すると言う点だった。
風見は初見ではないので、関係ないのだが。
能力の説明が下手で申し訳ございません…。
端的に言うと「絶対に嘘じゃないよ!証拠がなくても真実だからね!」と言っています。
たまに仕事中欲しくなります。
「言っただろ!!」
「聞いてません!!」←能力発動