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過去編-もともと殺す気なら、

拳を握り締める。トラップと言う名の忠告を無視した侵入者へ、制裁をしに行こうと外へ出た。すると


パリンッ


と結界が壊れる音がした。


ーーまさか、破られた!?


あれは父が作り上げた物。過去一度として破られた事などない。

急いで外界との入り口に向かうと、そこには一人の女がいた。

壊れた結界の破片が乱反射し、女はキラキラと光の中からこちらに向かって歩いてくる。


「初めまして、私はナギーー()()()()()()()()()()()


自分と同い年に見える女が、父の名前を出した。


ーーナギ?そんな名前は父の口から聞いた事がない。


警戒心を最大にして、銃を構えた。ちなみに、これは脅しだ。銃弾には限りがある為、極力使わない様にしている。本命は隠し持っているタガーでの一撃。

見かけはただの女だ。しかし父特製の結界を破る程の実力者である。油断する気は毛頭ない。

今まで通り、一撃で仕留める。止まった瞬間がチャンスだ。

女は目が悪いのか、銃を向けられている事に気付いていない。牽制する為に向けているのに、これでは意味がない。


ーー仕方ない、無駄撃ちになるかもしれないが。


当たればラッキー、当たらなくても牽制になる。

そう思って、引き金に指を掛けた。その瞬間、突風が襲う。あまりの強風に両腕で目を庇った。

そして身体がグルンと一回転する。全身に衝撃が走り、地面に叩きつけられたのだと一瞬遅れで理解した。


「もともと殺す気なら、姿を見せちゃ駄目だろ」


ナギと名乗った女は、俺が倒された際に落とした拳銃を拾い遠くへと投げた。

俺は自分を取り押さえる、もう一人を睨む。そいつはこちらに全く興味を示さず、ナギの方を見た。


「怪我はないかしら?ナギ」


「大丈夫だ。ありがとう、風見」


赤髪がナギ、白髪が風見。コイツら双子か?まるで紅白みたいだ。

のした相手がそんな事を思っているとは露知らず、ナギは目線に合わせる様に膝を曲げて屈んだ。

目を細めて、笑みを浮かべる。


()()()()()()()()()()()()()ーー貴方の名前は?」


否が応でも、相手の意思を理解する。しかしだからといって、こんな状態で「はい、分かりました」と素直に言えるだろうか?いや、言えない。

ケッと悪態を吐こうとしたら、風見の腕に力が篭った。渋々俺は名乗る。


「ルカ」


これが三人の出会いだった。

と言う事で、過去編一発目はルカです。

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