表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

60/325

真相:お前に頼んだのだ、当然だろ


 土の国が開戦撤廃した。それは宣戦布告を行なってから四日目の事だった。


「お望み通りになったご感想は?」


「お前に頼んだのだ、当然だろ」


私は、とある建物にいた。ここは会員制で、限られた者しか入れない。更に部屋自体にも、中にいる者の承認がないと入室出来ないようになっていた。内緒話には持ってこいの場所である。


私は鼻で笑った。


「よく言うよ。二人して、私をこき使いやがって」


私だけ除け者にし、鵠沼とフルメンは"風の国アルカナが繋がっている"と言う情報を共有していた。故に、フルメンは私に風の国との同盟を結ぶなと言ったのだ。


ーーあの時点では。


ようは、フルメンの思惑は「現状での同盟は不利だから、ナギになんとかしてもらってから締結しよう」と言う事だった。


「もう少し言葉を付け加えて"アルカナの過激派と繋がっている現状では"同盟は結ばない。とか言ってくれればいいのに!」


そう抗議する私を含め、部屋には5人。

私の後ろに控えているルカと、席にはーーフルメンと鵠沼が座っていた。鵠沼の後ろには、ルカと同様、日向がいる。


フルメンは開き直る様に言った。


「寧ろ、こう言う事態に対処する為にお前がいるのだろう」


「……どうしよう。殺意が湧いてくるんだけど」


私はフルメンを睨んだ。

首筋あたりに一撃入れてやりたい衝動に駆られるが、残念ながら、愛剣は入館時に預けている。

しかも控えていたルカはどちらの味方なのか、「落ち着けよ」と私を宥めた。仕方無く、私は話を戻す。


「開戦撤廃の理由は、風の国が大量のリヒトシュタールを手に入れたせいだろう?」


実際はまだ、予想の半分も採掘されてはいないが。

私の話に合わせるよう、ルカがテーブルにリヒトシュタールの原石を置く。フルメンは頷いた。


「お前によって、派手に露呈したからな。

リヒトシュタールによる戦力差、そして地形によって土の国は撤退した」


風の国は高所にある。低所から高所への侵攻のし難さ、そしてあの強風を突破しなければならない。


技術的に不可能では無い。ただし不利・有利を考えれば、当然不利だ。更にリヒトシュタールによる戦力差が生まれれば、採算が取れない可能性が充分にある。


私は土の国に早くそう決断させる為、鉱山を爆破した。そして現在、爆破箇所からリヒトシュタールが大量に採掘されていると報告が来ている。


「"リヒトシュタールが発見されただけ。本格的に採掘される前に戦争しちゃえ"なんて思考にならない様にしただけだよ。

事の発端はアルカナ(そっち)だろーーどう責任取るんだよ?」


私はニヤニヤと意地悪そうな顔をした。後ろに控えている奴等が「大人気ない…」と呟くが気にしない。


しかし鵠沼はわざとらしくとぼけた。


「責任?何の話だ」


「ボケるには早過ぎるぞ。()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()だろう」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ