★親の罪は、子の罪
アイは山中にいた。これから罪人の処刑が執行されるのだ。
「死にたくない!助けて!助けてぇ!!」
自分より歳下の子供が、引きずられて姿を現した。周囲は憐み半分、憎しみ半分といった表情を浮かべている。
執行方法も、昔通りだ。
この村の処刑方法はーー感電死。
電気兎の巣に入るのだ。入口は大人が屈んで入るくらいの大きさがあり、奥に行くと広い空間になっている。
この刑は巣に入ってから1時間後、無事に出て来れたら無罪放免となる。だが、今までに戻って来れた者はいない。
ちなみに、電気兎は味方同士は感電しないのか、巣の中で頻繁に発電・放電する。今も中でバチバチッと音がしていた。
入口まで稲妻の様な光が漏れる。まるで雷雲の中のようだ。
「さっさと入れ」
少年は叫声を上げて、中へと突き飛ばされた。
そして中に入ったのを見届けると、アイ以外の者は全員その場を後にした。
「1時間後、また来る」
無駄だと思うがな。去り際に、村長はそう言った。
しかしアイは何も言わずジッと奥を見つめ、少年の叫び声に耳を傾ける。
「親の罪は、子の罪」
そんな訳あるかっ!ーーと、ナギの声が聞こえた気がした。
「ほぅ、やり切ったか」
遠くの木の上から、私は少年が電気兎の巣から出てくるのを見ていた。息が絶え絶えながらも生還した少年に、村長達は驚きの声を上げている。
「無罪放免と言えど、閉鎖社会では生き難いだろうな」
「そこまでは面倒見切れない」
隣の木のから、私同様に一部始終を見ていたルカが問うた。
「で、お前は何をしたんだ?」
「ただ助言をしただけだよ」
そう、助言を与えただけ。
その内容は、アイだから実行出来た。私はおろか、日向や風見にだって不可能だ。
私は昨日のやりとりをルカに話した。
次回、解説です。
再度、
ファンタジー>>>>>>>トリック
みたいな解説となっています。




