*面白い事が起きるわよ
手袋をしていると言う事は、オリーブはオン・オフの切り替えが苦手なのかもしれない。
そう思ったら
「能力はちゃんと制御出来るわよ。ただ、何かの拍子で知られた時ように」
ウインク付きで返される。予防はしておくものでしょう、と。
本当かよ?と私は少し疑いの目を向けてしまった。
間も無く風の国に入るだろう。風の谷の洞窟を広げて作ったトンネルを突き進む。
「面白い事が起きるわよ」
唐突に、オリーブが言った。私が後方にある手洗いから帰ってきたらだ。
首を傾げる私に、オリーブはおかしそうに笑った。
「脱線するわよ」
「はぁ?」
瞬間。急ブレーキの甲高い音と、衝撃が全体に走った。投げ出されないよう、必死に掴まる。
暫くして、列車は止まった。
「……」
一瞬、車内は無言になる。そして一気にパニックになった。
「何があったの!?」「事故か?」「車掌は何をしている!」
そんな中、私はチラリとオリーブを見た。綺麗な髪が乱れつつも、オリーブは妖艶な笑みを浮かべている。
「何処を読み取った?」
「さぁね」
この現状を楽しそうにしているオリーブに、私はつい非難めいた目を向けてしまった。
こいつは私の嫌いなタイプだ。掴み所のない性格の奴と、私は相性がすこぶる悪い。
「それは貴女が、相手より優位に立とうとするからよ」
「本当に能力使ってないのかよ!?」
まるで先生のようだ。
世には輪廻転生と言うものがあるらしいが、まさか黄泉の世界から戻ってきたのではあるまいか。と、思ってしまうが、先生が亡くなったのは数年前。有り得ないはず。
それにもし戻ってきたなら、顔面に桃をぶつけてやる。
それぐらいの権利は持っている。




