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⭐︎ほんと頭が痛いよ

 「で、話はまとまったのか」


ルカはずっと聞きたかったであろう、私の任務結果について聞いて来た。わざわざ車なんか借りて迎えにきたのは、誰にも聞かれずに話す時間が欲しかったからか。

私は溜息混じりに答えてやる。


「土の国以外は協力してくれる事になった」


「やっぱり土の国は無理か」


現在、私は火炎の国にいる。先日まで異世界に行っていて、その世界にある火の国、水の国、風の国、土の国に、とある協力を依頼していたのだ。


「世界転移装置が田舎にしかないから、面倒なんだよな」


城の中にも作ればいいのに。長時間電車に揺られ、お尻が痛い。そう呟くが、当然無理だと理解はしている。


「馬鹿デカすぎるし、利用されて攻めてこられたりでもしたらって、理由だったな」


ルカの言葉に頷く。

そう、高位術式で作り上げられた世界転移装置は、ものすごく巨大だ。理由はかなりのエネルギーを使用するためのコアがでかいから。

そしてもう一つ理由があり、もしハッキングなんかされて、敵が城内に侵入してしまう可能性が少なからずあるからだ。何せ、この装置を作った企業が企業である。


「昔は隣国と喧嘩して、それから宇宙からの侵略を警戒して、けど宇宙人からの侵略じゃなく、異世界からの侵略の方が先ってね」


可笑しそうに笑う私に、とルカが睨んでくる。ハイハイ、分かってますよ。


「ほんと頭が痛いよ、アルカナの奴等」


そう呟くのと同時に、目的地である火炎の国の城、紅蓮城に到着した。


 執務室に行くと、すでに部屋には知り合いの中尉がいた。


「レイ中尉、久しぶり」


「少佐、任務お疲れ様でした」


金髪をポニーテールに纏めた美人がレイ。私に敬礼するが、すぐに口調を崩した。


「およそ半年ぶりね。異世界でも暴れてたって聞いたから心配してなかったけど、元気そうでなによりよ」


ちょっと待て、暴れてたって酷くない?私はジト目でレイを見る。レイは知らんふりをして、早々に本題を切り出した。


「アルカナに動きがあったわ」


「もしや大地の国で何かあった?」


頷くレイに、やっぱりかーと項垂れる私。


「土の国の事件から、おそらく繋がってると予想はしていたが…」


まぁ、当然他の理由もあるが。帰ってきて早々にやる事が山積みのようだ。……そう、それを表すかの様に机に書類が積まれているが、今は目を逸らそう。


「ちなみに、一番上にあるのが最重要だと思うわよ」


レイは苦笑して一枚の書類を指し示す。恐る恐る見ると、私は目を見開いた。


「アルカナが来年の世界会議に参加決定!?」


「落ち着きなさいよ。国として認められたのではなく、研究成果を発表する為の参加よ」


それがおかしい。なにせアルカナがやっている研究は、


「人工能力者組織アルカナ、奴等は人為的に能力者を作っている組織だ」


それは真理を恐れぬ、愚かな行為。真理の下にいる我等が手を出してはいけない領域。

私はつい呟いてしまった。


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加筆修正致しました。

ナギの能力発動時には、傍線を使用致します。

ナギの能力については、本文に出てくるまで暫くお待ちを。

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