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交錯編-しまった…!

「じゃあ、さっさと別の所に行くかぁ」と延びをしながら、私以外、息をしていない部屋を後にする。誰も文句を言わないだろうと思いつつ「一つ借りるな」とついでにカンテラを拝借し、別拠点へと向かった。


「やっぱり懐中電灯よりと、こっちの方が明るくていいわぁ」


と少し快適になった事を喜んだ時である。


「!?ーーこれって」


掘られた通路の側面に、ある紋章を見つける。身の丈以上に描かれたそれは、


「杖と蛇…」


あぁ、やっぱり…と私は落胆する。

一体いつから、土の国はあの神と手を組んでいるのだろうか。

少し感傷的になった私は、そっとその壁に触れーーー


「しまった…!!」


迂闊だった、と気付き逃げようとしたがーーー遅かった。



 そして状況は冒頭に戻るのである。

あぁ、しくじった…。囲まれた檻の中で、私は臍を噛む。


「こーゆー系は専門外なんだよ…」


一度意識を失い、気がついた時には鳥籠のような檻の中、外は暗闇に覆われていた。

そしてーーー淡い光を放つ幾つもの球体が浮かんでいる。

どれくらい意識を失っていたかは分からないが、あの坑道からいきなりこんな現実離れした場所に転移するとは思えない。つまり


「幻覚や催眠の解除は苦手なんだよな…」


罠に掛かり、敵の術中に現在嵌っているのである。意識がない肉体に何か仕掛けられる可能性があり、さっさと解かないといけないのだが、その手立てが見つからない。


「あぁ、くそっ!!せめて機能していてくれよっ!」


意識を失う瞬間、私は苦肉の策としてーーー自身の肉体を支配した。

支配、というより暗示に近いもので、内容は「知識の流出を禁ずる」事。

単的に言うと、問い掛けに答えない。自白しない。

これは今後の計画がバレない様にする為、だけではなく、アルカナの内部情報を漏らさない様にする為でもある。


ただしーーー脳を直接弄られたら終わりだ。


「ラプライアスが気づいたとしても、あいつが助けに来ることはまずない…」


つまり、自力でなんとか打開するしかないのである。


「てか、この空間て一体何をモチーフにしているんだ?」


こう言った罠は術者のイメージを基に作られる。大抵は牢屋や出口がない部屋が作られるのだが、


「術の範囲が無駄に広い…」


術の範囲は、可視範囲を同等だ。閉じ込める空間が広い程、術の負担は大きくなる。そう言った理由もあり、普通なら狭い空間をイメージするのだが、どうやらこの罠を作った術師は無駄に才能があるらしい。

週一更新できる様に頑張ります…。

取り敢えず来週、再来週分の予約投稿しました。

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