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交錯編-起きてるか!?

 それは突然だった。

いや、突然だと思ったのは、宣戦布告をされているにも関わらず、どこか別世界の事のように思っていた者たちだけでありーーーつまり殆どの者達だった。


 天候の村へ行った翌朝、ルカの泊まっている部屋に集まると、ルカと風見はそれぞれがもつ端末で、アルカナ本部から届いた知らせを改めて見つめていた。俺は掛かってくる報告の電話に対応する。

俺たち全員が、険しい表情を浮かべていた。


「平和ボケ、と俺達が言えた義理はないが…」


「そうね…私でさえ気が抜けていたわ」


“昨夜、天候の村にて爆撃有り”

昨日の夜、何かがあったのは分かっていた。就寝中いきなり地震のような揺れがあり、揺れが収まった後、窓から外を確認したら天候の村の方面が激しく光っていたのだ。

その時は地震による二次災害、つまり火災が発生したのか…?と思ったが、直後、隣の部屋に泊まっていたルカが


「起きてるか!?」


と突撃してきて


「アイ達と連絡がつかない!」


「避難している最中なんじゃないか?火災も起きてるみたいだし…」


「火災だと?馬鹿か!今の時刻を考えろ!!」


そう言われ壁時計を見ると、午前2時半を示していた。草木も眠る丑三つ時である。依然としてルカの意図に気付かぬ俺に、ルカは痺れを切らして言ったのだった。


「あんな派手な火災が起きる程、深夜に火が使われるかよ!!」


その言葉によって、ようやく事の異常さを理解した俺は、急いでアルカナに連絡した。

その時はまだ情報が錯綜しておりーーーまさか天候の村への爆撃だとは思わなかった。




 情報がある程度精査され、俺たちの元に上がってきたのは、朝になってからだった。


「…何か分かったら、連絡してくれ」


俺は電話を切ると、ふー…と長い息を吐いた。

風見達に見つめられ、俺は口を開く。


「アルカナ支部での被害は一切なし。ミネルバでもだ。ただーーーアイ達の安否が不明だ」


その言葉に、二人は覚悟していたかのように目を伏せた。

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