交錯編-今回とは関係ないと思うけど
不定期更新で申し訳ございません_| ̄|○
今年中は不定期更新になります…。
なんの用で、この方は私に会いに来たのだろう?
急に訪ねてきたその方は、向かいで優雅に紅茶を飲む。
『久しぶり、少し付き合ってもらえないか?』
と言われ、丁度休憩時間だった事もあり、私は頷いた。
私は上目遣いにチラリと見ると、その方は優雅に微笑み
「今回とは関係ないと思うけど」
と切り出して
「貴女の能力を借りたいんだ」
もう暫く先になると思うけど、と呟いたのだった。
「土の国は、大地の国の属国なんだよ」
「…え?」
一拍の間が空いて、アイ達はようやく反応した。その様子に、日向は「あんまり知られてないんだよなぁ」と呟く。
ヒナタは訝しんで尋ねた。
「属国だと?同盟国ではなく?」
「あぁ、そうだよ」
俺は頷き応えてーーー
「アルカナが引っ掻き回した所を、狙われたんだ」
と、少し風見達に白い目を向けて言った。
その様子に、なんとなく察するアイ。
「引っ掻き回したって…もしかして、以前の時に?」
「そう、あの時の賠償金諸々を大地の国が立て替えたからなんだ」
当時、土の国が風の国に宣戦布告してから撤退した期間は実質四日間。その時に戦闘行為は行われていない。
しかし宣言したのだから、その責任は取らなくてはならない。と言う事で、風の国は土の国に金品等を請求し、元から借金で火の車だった土の国はアルカナに見限られーーー大地の国が接触してきたのである。
「アルカナが関与していた時から、大地の連中はちょっかいをかけてきていたわよ。私達が見捨てたから、だなんて心外だわ」
と、風見は不機嫌に言い返す。が、俺は一瞬だけ冷めた眼差しを向け、すぐにアイ達に視線を戻した。ここで口論するのは、時間の無駄だ。
俺は真っ直ぐにアイを見つめた。
「アルカナからは今のところ口出し出来ない。僅かでもいい、何か情報を持っていないか?」
「…今はまだ私に招集はかかっていない。悪いが、殆ど知らないんだ」
そう申し訳なく話すアイに、俺は「そうか…」と静かに言いーーーその後ろにいる人物の機微を見落とさなかった。
アイは風神の姫君。重要戦力の一人には変わりない。
だが、
ーーーナギが接触するのなら、アイよりもお前だろう?
そうだろう?ヒナタ。