交錯編-随分と直球だな
吊るし人と吊るされ人は同じですm(_ _)m
後日、統一します(>人<;)
私はフルメンの所にいた。
出された紅茶をひと睨みして、フルメンを見やる。
「お前もか、ブルータス」
「だれがブルータスだ…」
既に私に事が露見したフルメンは開き直った。私は荒々しく、ドカッとソファーに座り、腕を組む。
一度深呼吸をすると、意を決して聞いた。
「転移装置の設置許可とーーー吊るされ人の情報が欲しい」
「随分と直球だな」
私は舌打ちしたい衝動に駆られる。そう、自分でも余裕がない事は分かっている。
フルメンは許可の申請書に判を押すと、憐れみを含んだ眼差しと共に向けてきた。
「悪いが、吊るされ人の情報は持っていない」
私は許可証を引ったくるように受け取りながら、非難する。
「嘘だろ?あんたが深奥出身だって知ってるんだぞ」
「…だからなんだ」
「白々しいーーー私を無知だと罵るつもりか?」
「何も知らないと言っただろう」
頑なにフルメンは首を横に振るので、この頑固者めっ!と私は一瞬だけ殺気を放った。
フルメンは怯んだのか、それとも私に少しは悪いと思ったのか、渋々ながら口を開く。
「吊るされ人の事は何も言えないが…先程、ルカ達が深奥に着いたと連絡があった」
ルカが村に辿り着いた。その情報に私は項垂れる。
予想はしていた。と言うか、時間の問題だなと覚悟していた。
あの施設から村まで、それほど離れていない。
あの三人が本気になれば、深奥の村など簡単に見つかるだろう。
「ルカ達ってことは、風見と日向もいるんだろう?被害は出たか?」
「なんで暴れる前提なんだ…」
フルメンの言葉に私は首を竦めた。
「いや…だって…あの三人だし?」
「お前がいない分、理性的だぞ」
「嘘だぁ、あの中で私が一番理性的な筈」
そう言うと、フルメンはジト目を向けてきたので、私は目を泳がせつつ口を閉じた。大人しくなった私に、フルメンは言葉を続ける。
「ソレイルが出迎え…今は村長の所にいるらしい」
「はぁ!?」
思いもしなかった事に、私は驚愕する。
「何を考えてるんだ!?ソルの独断?それとも村長の指示か!?」
「あるいは、吊るされ人が一枚噛んでいるかもな」
フルメンの言葉に、私はジロリと睨む。やっぱり何か知っているんじゃないか!!
だが、フルメンは口を割らないだろう。私はわざとらしく溜息を吐くと、冷めた紅茶をぐぃっと煽って部屋を出て行った。
私が出て行った後、フルメンは呟く。
「今が分岐点だと、お前は気付くだろうか」
それは一体、誰に言ったのか。