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交錯編-幸先良いわね。

 全能者だろうと、所詮女だと甘く見られたのか。魔法さえ封じればいいとでも思ったのか。

そんな認識なら、すぐに改めた方がいい。

なにせ私は、攻撃魔法も防御魔法も使えない、逃げ専門の、だけど恐ろしい女を知っている。

そして私はソイツの好敵手(ライバル)である事に、誇りを持っている。


 私の頬を叩き、次いで殴ろうと男が構えた瞬間、意識が疎かになっていた下半身もとい(スネ)を私は蹴った。男は声を上げ、咄嗟に身を屈めて脛を押さえる。

男の頭が丁度脚が届く位置に来る。狙い通りの動作に、私は次いで横へと蹴り飛ばした。

頭から倒れる男の首を脚で挟み、締め上げる。


「ゔ、、グッ」


と苦しそうな声を上げ、暫くそのままの状態でいると、男はガクッと意識を失った。気絶した事を確認した私は、男のポケットから鍵を見つけ、拘束具を外す。


「壊滅する気で行くわよ!」


拘束具を男に取り付け、私がされたのと同じ状態にする。どうして殺さないのかって?それは此処を制圧した後、情報を聞き出す為。

この男がどれくらい情報を持っているか分からないけど、下っ端よりは知っている筈だからだ。男から腰の剣を拝借して、私は部屋を意気揚々と出ていった。すると部屋の外には見張りが一人いて、


「!?」


と、出てきたのが私だと気付くのと同時に、私は勢いよく殴った。ゴキンッと嫌な音がして、見張りは倒れる。


「幸先良いわね。使い慣れた種類の武器が手に入ったわ」


私はにっこり笑うと、剣を放り投げ、見張りの持っていた短剣を抜く。


「さて、暴れますか」


そう言うと、私はゆっくりと歩き出した。出会う敵に


「風よ」「火よ」「水よ」


と切り刻み、燃やし、身体を干からびかせ。

そして私は気付く。


「この建物の構造…似てるわね」


そう、気付いたのなら私は用心しなければならなかったのだ。

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