表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

229/325

交錯編-あの忍者のやつな

 娯楽大会の内容は、毎年異なる。体力勝負の時もあれば、ギャンブルや知的遊戯など様々だ。

その中で、俺やナギと言った使用方法が限られている能力者の参加は珍しい。


「ナギは対人相手の能力だし、しかも交渉とか証明の時にしか役に立たないしね」


と、風見が嫌味を言う。チラッと俺を見て


「あんたも、移動や離脱には向いてるけど競争には向いてないわよね」


「今回はクイズがメインだから、能力の優劣は関係ないぞ」


見下してくる風見に苛立ち、俺は収集した情報で言い返す。

睨み合う俺たちに、参加しない日向が「落ち着けよ」と宥めたのだった。


「俺たちも目的は優勝する事じゃないって、分かってるか?」


その言葉に俺は膨れっ面で頷く。


「ナギと接触してマーキング…追跡器を付ける事だ」


「そう、ルカは試合中に接触可能なら、それが無理な時は、自由行動可能な俺達が。本当ならルカと俺の役割を反対にした方がいいんだが…俺よりルカの方が頭はいいしな」


と言う事で、現在参加しているのは俺だけである。



 風見達が先程、観客席にいたのを確認した。そして


「ナギが…いない?」


参加者が並ぶ。全員で12名。

参加者全員の顔を確認する。発表されたトーナメント表も見るが、そこにナギの名前はなかった。

司会が開始の言葉を述べ、第一試合が始まる。


「ナギ…」


お前は今、何処にいる?




 大会が始まる。


「おいおい…話が違うじゃねーか」


「変身魔法を使っている様子もなさそうね」


私の知見に日向も同意する。ヒュエトスの奴、私たちに出まかせを伝えたのかしら?険しい表情をしている中、大会は進む。


『第一試合はラン&クイズ!出題ボタン目掛けて競争です。勿論、能力など何でも使ってOK!ボタンを押してから1分以内に回答出来なかった、または間違えた場合は、回答権は相手に移りますっ!』


司会がありきたりな内容の説明をした。ランと言っても、ただ走るだけでなく幾つかの障害物がある。


「なによ、これ。昔のテレビ番組のセット?」


「あの忍者のやつな」


「ルカの奴、クイズがメインって言ってなかったかしら?」


早々に負けるんじゃない?と私は笑う。しかし、


「じゃあ賭けるか?ルカが一回戦目で負けるに」


「日向がそっちに賭けるならね」


私の言葉に日向が首を竦めた。えぇ、言いたい事は分かってる。

私は視線を再度ルカに戻し、そっと呟いた。


「私から逃げ(おお)せた奴の弟子が、この程度で負ける筈ないわ」


そうでしょう?好敵手(ナギ)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ