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小噺①

2021年は2月2日が節分らしいですね。

1日早めの内容です。

 テーブルには大判の海苔に酢飯、そして干瓢や出汁巻き玉子、胡瓜などが用意されている。

他にも、ナギによるリクエストで海老やカニカマ、ツナマヨにアボカドなどがあった。


「なぁ、そんなに食べれるのか…?」


と、俺はナギの手元を見て問うた。


「いけるっ!」


とナギは海老とアボカドの上にツナマヨを載せる。クルッと巻いて、どうだっ!と得意げに俺に見せてきた。

その様子は可愛いのだが、それよりも気になるのは、それが何本目なのかと言う事である。


「一応聞くが、今から食べるのは一本だよな?」


「……」


そっと目を逸らすナギ。俺は呆れつつ、自分の分を作り始めたのだった。


 黙々と食べ終えると、ナギは先程作った恵方巻きを渋々冷蔵庫に仕舞った。流石に食べきれないと判断したらしい。

俺は食後のコーヒーを飲みつつ、先程の二人並んで同じ方角を向きながら食べると言うシュールな様子を思い出す。少し可笑しく思い、ふふっと笑ってしまった。


「今年は南南東だったが、どうやって決めているんだ?」


俺の問いに、ナギは「干支の十干を使ってるよ」と答えた。


「そもそも干支は十二支と十干の組み合わせで、計60種類ある」


「60?12×10で120じゃないのか?」


俺の疑問にナギは首を横に振った。


「十干はきのえきのとひのえひのとつちのえつちのとかのえかのとみずのえみずのとで、それぞれ西暦の1の位で

甲:4

乙:5

丙:6

丁:7

戊:8

己:9

庚:0

辛:1

壬:2

癸:3

と分けられる。そして十二支と十干の組み合わせは奇数同士、偶数同士になるんだ」


ナギの応えに俺は「あぁ、だから60か」と納得する。


例えば十二支の(ネズミ)は『乙、丁、己、辛、癸』の5つの組み合わせしか出来ない。それが12個ある訳だから、5×12で60種類。


「そこから東北東、西南西、南南東そして北北西の4方角に分類するんだ」


まぁ、正しくは僅かにズレるんだけどね、と一息つくようにナギはコーヒーを飲む。


「ちなみに、十二支は動物が当て嵌められているが、本来は植物の成長過程を示してたりするんだけど…」


チラッと俺を盗み見るナギ。俺は首を横に振った。


「今日はもういい。腹一杯だ」


正しくは脳一杯、だろうか。

俺の言葉にナギは苦笑したのだった。

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