表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

189/325

交錯編-上手くやっておけよ

全然更新出来なくて申し訳ございません(;ω;)

 計画が変更されたと聞いて、私は目の前にいる愛妾を殴り付けたくなった。

何の為にお前を連れてきたと思っている?


「先程の揺れでお分かりと存じますが、外は嵐です。その為、襲撃は見送りになったと」


「なるほど…で、お前はどうする気だ?」


非常灯によって進む道の足元は明るい。下から照らされた愛妾の顔は、いつも通り淡々としていた。


「皆様の安全を確認してから戻って参ります」


照明が落とされていない部屋へと案内される。

先程からの揺れ。此処からでは分からないが、外は嵐の筈だ。

乗客の安全は船長が考えるが、主催者である私も動かなければならない。それをこの愛妾が代理として行うのだ。私はほくそ笑む。


「よく分かっているじゃないか、上手くやっておけよ」


そう言うと、私は愛妾を部屋の外へと追い出したのだった。




荒狂う海ーーーと思ったが、どうやらおかしい。


「これは魔法か?」


この船の上にだけ雨雲が発生し、渦を巻いて取り囲んでいる。こんな規模の魔法を使える奴はそういない。


「アイがやるとも思えないしな…」


風神の姫君ならば可能だろうが、アイがこんな事をする動機はない。


「ナギの指示か…?」


だが、ナギがアイにそんな指示を出すだろうか?

今回の件に関して、ナギはアイに"誰かの指示で"動く事を望んでいない気がする。

と、その時だ。


見覚えのある島に、俺は目を見開く。いつの間に進路が変わっていたんだ?


「菴羅…」


ナギ、お前は一体何を考えている?




 私とそっくりの女性が、脚を挫いてしまったのか床にへたり込んでいた。


「大丈夫ですか?」


「ーーーありがとうございます」


女性は何か言いたげに私の顔を見る。差し出した手をおずおずと取り、私は女性を引っ張った。


「あの、つかぬ事をお聞きしますが」


「なんでしょうか?」


「先程…」


女性は口を開いたが、すぐに閉じてしまった。

私もどうしようかと考える。

この女性は、ナギを知らない様だ。


ナギはたしか、


『やましい連中は既に私の姿を知っているから、ルカといれば勝手に勘違いしてくれる』


と言っていた。つまりこの女性は、やましいーーーレジスタンスとは関係ない人物だと思われる。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ