表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

161/324

過去編-…そりゃどうも

「よくそこまで行き着いたな」


私の説明にゲフリーレンがようやく口を開いた。


「お前の言う通りだ。まだ大地の国から宣戦布告はないが、いつ攻めて来てもおかしくない」


アルカナ派の狙いは、3カ国ではなく4カ国ーーー火炎、氷雪、疾風そして大地の国に亀裂を入れる事だった。


「魔薬を兵器として用いる事は反対だった。氷雪の大臣としては何とも言えないが、お前が魔薬を処分した事については賛成だ」


「…そりゃどうも」


しかし、とゲフリーレン達は鋭い眼差しを向けて来た。


「現状、魔力を用いらない兵器は限られている。敵側のみ魔法が使えるのは、相当なハンデだ」


「……」


押し黙る私に、フルメンは何とも言えない表情を向けて来た。そんなフルメンを咎める様に、ヒュエトスは咳払いをする。


「…分かっている」


フルメンは目を伏せ、そして顔を上げた。そこには中将としての威厳があった。私に真剣な眼差しを向ける。


「今回の責任について、ナギ。お前を火炎の国の監視下に置く事が決まった」


フルメンの宣言に、私は唖然とする。一拍あけて次の瞬間、叫ぶ様に抗議した。


「つまりアルカナを抜けろって事か?何故私が!!」


「大地の国を除いた3カ国の総意だ。覆る事はない」


「何故私が責任を負う!監視される理由を答えろ!!」


私の問いに、三人はそれぞれ異なった表情を浮かべた。

フルメンは哀しみを、ゲフリーレンは怒りを、そしてヒュエトスはーーー艶笑を浮かべる。

口火を切ったのは、フルメンだった。


「…鵠沼からの報告では今回の首謀者は村崎と言う事だが、それは本当か?」


「らしいな」


「らしい、と言う事はお前が鵠沼に進言した事ではないのか」


フルメンが何を言いたいのか、要領を得なくて私は苛立ちを覚える。


「私は()()()()()()()()()()()()()()()()()()だけだ」


鵠沼の言葉に私は無関係、と暗に言う為にわざと能力を使う。

それがまずかった。


「…ナギ、"アルカナ派の建物"とは、先日突如崩壊した元烹鮮支部の事ではあるまいな」


「……」


とても嫌な予感がして、私は押し黙ってしまった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ