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過去編-風見も、これで捕まったのかも

物体は必ず固有振動数を持っている。固有振動数とはその物体が一番振動しやすい振動数のことであり、固有振動数と同じ周波数を与えると振動が増幅され、強い振れが起きる。


これを共振と言う。


この共振を利用して、霰さんは魔道具の素材集めを行なっていたらしい。亡くなる前に俺にも使える様に作り替えたらしく、現在これを使えるのは俺だけだ。


「あと超音波探傷も出来るらしいが、今回はどちらも違う」


先程常盤が解説した通り、俺もこの魔道具を使って子供を無力化していた。

今回行ったのは逆位相ーーー伝わって来た波長の逆波長を作り、打ち消したのである。


 ナギに腕輪の話した所、常盤の能力でも同様の事が出来ると気付いた。



「風見も、これで捕まったのかも」


ナギの言葉に俺も頷く。


「たとえ全能者であろうと、肉体は皆と同じだ。隙を突かれ気を失う事はあるだろう」


波の伝わり易さは固体、液体そして気体の順だ。風見は全能者ーーーつまり風使いでもある。空気中から伝わる振動なら気付くだろうが、直接振動を加えられたら流石の風見も抵抗出来ないだろう。

俺も初めから直接振動を加えられていたら、波数の特定が間に合わずヤバかった筈だ。


「おそらくルカへの場合は、まず空気中から振動を与え直接触れられる隙を作ろうとする筈」


ナギは心配そうな眼差しを向けた。


「ルカ…常盤が現れたらすぐに逃げて」


「……」


「本気で風見達とやり合った場合、私達は絶対に負ける」


ゲフリーレンに会いに行くだけなのだが、おそらく常盤達が待ち構えているだろう。常盤はナギから風見を奪い、日向を拘束した。


次に狙われるのは、おそらく俺だ。


「ルカまでいなくなったらーーー」


ナギは声の震えを抑える様に絞り出したのだった。


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