表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

135/324

過去編-ナギ…目を瞑れ

読み飛ばしても問題ありません。

ただのイチャイチャ回です。

裏タイトルは「吊橋効果」です笑

 ヒラヒラと白い紙が、雪の代わりとでも言わんばかりに落ちてくる。

俺に抱き付くナギは、必死に震えを抑えようとしていた。心底、怖かったのだろう。

肩を支えていた手をゆっくりと動かし、ナギの頭を後ろから撫でた。梳く様に離せば、滑らかな髪が名残惜しそうに、指から解けていく。


「怖かった…」


そう呟くナギを、宥める様に撫でる。何度か繰り返すと、ナギは微かに背中を反った。俺を掴んでいた手は、より一層、何かに耐える様に力が入る。


「ルカ…」


いつもと違うナギの表情、熱っぽい声に俺は歓喜する。頭を支えていた手を緩めると、ナギも顔を上げた。

俺と目が合うと、急いで目を逸らし再び俯く。しかし顔が赤くなっているのは、隠せていない。


俺は愛おしさが込み上げてくるのを感じ、笑みを浮かべた。


意地悪だと思うが、わざと顔を覗き込む。


「ちょっとっ!」


真っ赤になって焦って怒って、必死に照れ隠しするナギ。恥ずかしさからか、目に涙を浮かべ上目遣いに睨んできた。

しかし、怖さは感じない。


「ナギ」


俺は口端を上げると、ずいっと顔をナギに近付けた。ナギは少し目を見開く。

唇が触れるまでの距離は、あと僅か。


「ナギ…目を瞑れ」


俺は再度、頭を押さえる手に力を込めた。後ろに逃げようとするナギを捕まえる。

ナギは驚き、戸惑い、恨めしそうにーーー恥ずかしそうに俺を見た。何か言おうと口を開けるが、すぐに閉じる。

そして観念したのか、力を抜いたのが分かった。


ゆっくりと目を閉じるナギ。


初めて触れたナギの唇は、冷たかった。




 唇を重ねる。僅かに紫がかっていたナギの唇も、俺の体温が伝わったのか本来の色を取り戻していた。


「ルカ…もうーーー」


ナギの言葉を遮る様に、離した唇をもう一度塞ぐ。僅かに開いた隙間から、舌を入れた。

ナギはもう、恥ずかしさを我慢せずにのけぞった。俺の肩を押して離れようとするが、ピクリともしない。


ーーーあぁ、ナギ…愛おしい。


逃げる舌を追いかける。


ーーー本当に嫌がっているのかもしれない。


けど、もう無理だ。


じっくりと堪能し唇を離すと、銀色の糸が尾を引いた。ナギは乱れた呼吸を整えようとする。

その様子が可愛くて、触れたくて。俺はナギの片耳に髪をかけた。


「ルカ…酷い」


ナギはキッと睨んでくる。俺はもう一度その口を塞ごうとしてーーーナギが先に口に手を当てた。


「もう、駄目」


その目は、いつもの強気な光を(たた)えていたのだった。

こんな内容を入れてしまい、申し訳ございません。

次回は解説回となります。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ