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過去編-フェアリーリングッ!

「何だ、あれ?」


そしてポツンと置かれた箱を見つける。海賊が持っていそうな宝箱だ。錠は付いていない。


「これは開けるべきなのか?」


恐る恐る、宝箱に近付く。そして遺言状の内容を思い出した。


『各自にいずれ必要となる物を用意した。二人で取りに来ること』


各自って誰の事だ?アルカナ幹部の事?それとも日向やナギ達?

結局、不測の事態に対処できる者、そして“各自”の中におそらく含まれているだろう、と言う事でナギが一人目に決まった。そして万が一の脱出手段として、俺に白羽の矢が立ったのである。


「命の危険はないだろうけど…」


元組織の人間だったとしても、悪い事が起きないとは限らない。

それこそ、これが禁忌(パンドラ)の箱でないとは限らないのだ。

と、その時である。


「嘘でしょ!?」


上からナギの声がした。見上げると、ナギが落下している。


「ナギッ!!」


俺は焦った声を出した。あの高さからの落下はやばい。


「フェアリーリングッ!」


そして俺は、一か八か能力を発動させた。




 ギュッと目を閉じ、覚悟したーーーが、感じたのは痛みではなく温もりだった。


「大丈夫か!ナギ」


「ルカ…」


「ドゥンケルシュタールの効果範囲外で良かったよ」


そう言って、ルカは私をギュッと抱き寄せる。放心状態だった私は、安堵とは別に急に嬉しさと恥ずかしさが混じり合った様な気持ちになった。どうしていいか分からず、取り敢えず俯く。


今、とてつもなく顔を隠したい。

だが、それが余計にルカを心配にさせたらしい。


「何処か痛むのか!?」


と顔を覗いてきた。

私は堪らず「大丈夫っ!!」と叫ぶ様に言うと、ルカの腕から出ようと踠いた。

横抱き、所謂(いわゆる)お姫様抱っこの状態から。


「おいっ!危ないだろ、少し待てって」


暴れる私を落とさない様、余計に抱き寄せる。ルカの肩に軽く顔が当たり、私はそのままギュッとルカの服を掴んだ。

一拍、ルカの心音が跳ねる。


「ナギ…?」


恐る恐ると言った様子で、ルカは私に声を掛けた。私は震える唇を一度強く噛み締めると、ルカの耳元で言ったのだった。


「助かった…ありがとう」


ルカの腕に力が入ったのは、おそらく気のせいだ。

次回、イチャイチャ展開になります。

ただしR-18になりそうな表現(嬌声、喘ぎ、水音等)は入りません。


そして読み飛ばしても、全く問題ないです笑

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