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過去編-クソッタレ!!

 暫く話し込んでいたら、外で爆発音がした。サルトゥスの家を飛び出し、私は音がした方向を見る。隣の山ーーーつまりナギ達がいる鉱山である。


「嘘だろ…」


遠くの此方からでも分かる。ナギ達が入って行った入口が、爆発によって崩れた瓦礫や岩で塞がれていた。


「ナギッ!!」


一心不乱に山を駆け降りる。此処まで来るのに周囲を確認しながらの登りだった為、下りには全力疾走する事も加味すればおそらく半分の時間で鉱山に到達するだろう。


「!ーーーあいつは!!」


もう少しで入口に着く。それぐらいまで近づいてきた時、入口とは離れた所に、とある人物を見つけた。今回の任務に関係ないーーーいや、この任務を知らない筈の人物。

嫌な考えが浮かび、私はすぐさま方向転換する。そして


「村崎っ!何故、敵対派閥のお前が此処にいるっ!!」


殆ど跳び膝蹴りに近い体勢で飛び掛かる。焦っていた為、跳ぶタイミングを外してしまい、狙っていた顔面より下ーーー胸辺りに膝が当たった。グエッと声を上げ、咳き込む村崎。しかし問答無用に私は村崎の上にのし掛かると、両腕を押さえ付けた。


「何をした?何をしようとしていた?」


「ハッ!!言うと思うのか?」


小馬鹿にした態度を取る村崎に、私は「そうだな」と冷めた眼差しを向ける。


「一応、アルカナメンバーには使わない様にしていたがーーーお前が拒んだのだからな」


そう言って、私は村崎の顔面を力いっぱい殴った。痛みに呻き声をあげる村崎。気を失ってしまう程の痛みは与えない。


「さっきの爆発は、お前がやったのか?ナギがいると知って?まさかサトリとかの事もお前が流した情報か?」


答えなくてもいい。私に必要な情報を、私が読みやすいよう、思い浮かべてくれるだけで構わない。


「逃げようとしていたのか?ーーーいや、爆発があってから私に見つかるまで、充分逃げる時間はあった筈。これから何かするつもりだったのか?」


私の質問に当然だが、村崎は答えない。しかしそれは問題ない。何故なら私はサイコメトラー。情報を思い出してくれるだけで構わない。

段々、痛みの方が強くなってきたのか、伝わってくる情報に“痛い”と言うノイズが多くなる。

それでも、重要な情報は手に入った。


「クソッタレ!!」


思わずそう叫ぶと、私は最後に一発、村崎の顎を殴ったのだった。

まさかの村崎登場です。

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