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過去編-別に勘繰ったりしないさ

  その後、ルカと風見は視察場所に行く度に襲撃に遭った。泊まる宿は毎回変え、万が一の事を考え同じ部屋を取るーーーちなみに本部、と言うかナギにはちゃんと連絡済みだ。


「別に勘繰ったりしないさ」


と事情を聞いたナギは、鼻声で言った。


「それに、二人がどんな関係になろうと問題ないし」


「……」


電話口で、無表情になるルカ。スマートフォンを持つ手にグッと力が籠る。

その様子に、流石の風見もルカを気の毒に思ったのか、ルカの手からスマートフォンを奪うとナギに言った。


「その言葉は、拗ねているように聞こえるわよーーー少しは言葉を選びなさい」


「うぐっ」


風見の言葉に、流石に悪かったとナギは反省する。


「応援を送るよう言っておくよ。私も体調が回復し次第、すぐに行く」


しかし、遠方地と言う事、そして相手の目的が不明と言う事もあり、無為な犠牲が出ないようにと、なかなか人員が投入出来ずーーー結局、応援が来たのはルカ達が初めて襲撃されてから、五日後だった。



 応援として一番初めに来たのは、なんと風見の師である常盤であった。ルカ達と合流早々、意地の悪い笑みを浮かべる。


「本当に、何もなかった訳?」


「ある訳ないですよ!」


こちとら、何度も命を狙われているのだ。そんな現を抜かすような事をする余裕があると?と風見は口に出さずに睨む。たとえ師弟の関係であろうと、状況を考えて発言するべきだ。

ルカは常盤に、冷ややかな眼差しを向けた。


「風見の師と窺いましたが、オツムが足りていないようですね?」


底冷えする声色に、常盤は「まずいっ」と危機感を覚える。ルカがナギや風見と同年代だからと、甘く見ていた。

あのナギが連れてきたのである。只者ではないはずだ。

話題を変えるべきだと判断し、常盤は急いで鞄からある物を取り出した。


「そう言えば、ナギからの伝言を預かってきたんだ。この池の水のサンプルを取ってこいだと」


そう言って見せたのは、ルカが初日に撮影した造花の池の写真だった。

まさかの常盤です。

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