表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

100/324

小噺④-過去編ver

実は100ページ目だったりします。

ここまで読んでいただき、ありがとうございます!

 それは何気ない一言から始まった。


「お前らに苦手なモノってあるのか?」


烹鮮での密輸事件が終わった翌日。四人で昼食をとっていてた時のことである。

味噌汁の茶碗から口を離した日向が、不意に聞いた。

ナギ、ルカ、風見は顔を見合わせる。そして口火を開いたのはルカだ。


「苦手なモノって、食い物か?それとも別の物?」


「取り敢えず、食べ物で」


うーん…と悩む三人。別に思い付かない訳ではないーーーたとえこのメンバーであろうと、自分の弱みを教えていい物なのか、悩んでいるのだ。

日向は「そこまで真剣に悩むなよ」と呆れ顔をする。風見は「強いて言うのなら…」と前置きし、


「私はパクチーが苦手かしら」


と答える。ルカは「あぁ、なるほど」と呟いた。無難な答えでいいのだ。


「それなら俺はレバーだな」


山の中で暮らしていた影響が大きいのか、あまり肉は得意ではない。その中でも特に、レバーは苦手だ。日向はニヤリと笑う。


「それなら今度、串焼き食べる時に頼んでやるよ」


「嫌がらせかっ!そう言うお前はどうなんだよ」


ルカの問いに、日向は「俺はねーよ」と笑う。自分だけ言わないつもりか?とルカと風見は睨んだ。しかし、


「……本当に?」


「「「!!」」」


今まで口を開かなかったナギが、日向の方に目もくれず、しかし問うた。味噌汁を飲み終え、全てきれいに完食する。

ホッと一息つくと、ナギはようやく三人の方を見た。そして


()()()()()()()()()()


みんなの視線が、日向の茶碗に注がれたのだった。


「確か日向って、港町育ちだよね?」


「…昔、毎日のように食わされたから嫌いなんだよ」


三食、味噌汁又はワカメスープを数年繰り返してみろ、と日向は口を尖らせた。ナギは「ルカと逆の理由か」と笑う。


「そう言うお前は、どうなんだよ?」


と、日向は先ほど自分が言われた言葉をそのままナギに投げた。ナギは少し悩むと


「饅頭が怖いかな」


と答えた。


 そして後日、狙い通り日向から大量の饅頭が届くーーー事はなかったのだった。


「流石に、日向も馬鹿じゃないからな…」


「けど、私は間違った事は言ってないんだけど」


ナギの言葉に「嘘つけ」とルカがケチをつけた。


「甘いものに目がない癖に」


「ルカ、私が和菓子を食べてるのを見た事があるか?」


少し拗ねた様に言うナギ。ルカは「うっ」と詰まった。そういえば、いつもリクエストされるのは洋菓子である。


「…本当に嫌いなのか?」


「いや?たまに紅葉饅頭が食べたくなるかな」


おいっ!と突っ込むルカに、ナギは笑ったのだった。

明日はお休みいただきますm(_ _)m


次は本編です。

幼女ナギーーーではなくルカ、風見も出てきます。


次回更新→9/11 19時投稿

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ