1/324
第一幕
妖艶な笑みを浮かべ、女神は黒髪の少女に言った。
「全てに復讐するのなら、助けてあげる」
退屈していた女神は、新しい暇潰しを見つけ嬉しそうに顔を歪ませた。私を楽しませてくれるなら、願いを叶えてあげると。
少女は戸惑いながらも意を決して、その手を取った。女神は満足そうに言う。
「あまりにも退屈だったら、いつでも観客席を立つからね」
これは少女の願いを叶え続ける物語。
そして女神の為の用意した演劇。
タイトルは、復讐劇。
微笑、艶笑、苦笑、嘲笑そして歓笑。
最後に浮かべるのはどれだ?
「貴女が不幸を招いたのは、その賢さのせい。
そして貴女を救うのも、その賢しさ故よ」
女神は高らかに呵う。
さぁ、復讐劇の始まりよ、と。