表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彼女と黒猫  作者: M.H
彼女は黒猫 (下)
48/54

48話『遊びの約束』

 そんな週のスタートを切ってしばらく過ぎて水曜日。

 季節は十二月に差していた。本当にあっという間に流れていく日々。改めて人間の残りの人生の短さを感じる。

「最近、どう?」

「最近、とは?」

「だから、体調面、ほら最近ぐっと寒くなったじゃない」

「インフルとか流行ってるらしいな。けど俺は今のところ不調は無い。あ、嘘。この前熱出したんだった」

「はぁ? 大丈夫だったの?」

「あぁ、大丈夫みつ――」

 思わず口走ってしまいそうになった。

「いま、なんて?」

 恋人の前で別の女の名前を口にしたときのような反応をされ、俺は瞬きの回数を増やす。

「みー、みー、そう、蜜、蜂蜜食べたらだいぶ良くなったんだ」

「蜂蜜? ……そう」

 まだ腑に落ちない、そんな表情だがどうやら引いてくれた。

「ねぇ、土曜日って空いてる? ちょっとさ、話したいことがあるんだけど」

「土曜日か……」

「なに? バイト?」

「いや、バイトは日曜」

「じゃぁなに?」

「……なんだよ。そんな怖い顔して」

「してない」

「してるって」

「そんなの今どうでも良いでしょ」

「まぁ、それもそうか。土曜な、空いてる」

「そ、じゃ駅前集合ね」

「時間は?」

「十時」

 莉緒にしては随分と早い約束だ。きっと真面目な話なのだろう……アレか。いや、違うな。

 莉緒に限って……告白なんて。と思うほど俺の心に純粋な少年は宿っている。

 それからバイトでは神田千蜜と叱られ、家に帰れば三月がいやしてくれて、学校に行けば莉緒と切磋琢磨。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ