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24話『――守るって、言ったのに――』
「店長! 修哉は! まだ――」
「ウヴァァァァアアアアア! ゾンナヴャヅジラナイ! ぼぐをおいていったバイトなんてクビだ――」
「なんで、入れ違いに! スマホも、出ないし! あのバカ! ばか……」
感情と涙は遅れて押し寄せる。
私はもう店長みたいに涙に声がつぶれて何も言えなかった。電話を握る手もかじかんで震えて、落としてもう拾えない。もう遅いから、拾う理由もない。怒りと悲しみの濁流に身を委ねて、私は従業員の休憩スペースから駆けだした。
守るって、言ったじゃない――。




