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彼女と黒猫  作者: M.H
彼女と黒猫 (上)
24/54

24話『――守るって、言ったのに――』

「店長! 修哉は! まだ――」

「ウヴァァァァアアアアア! ゾンナヴャヅジラナイ! ぼぐをおいていったバイトなんてクビだ――」

「なんで、入れ違いに! スマホも、出ないし! あのバカ! ばか……」

 感情と涙は遅れて押し寄せる。

 私はもう店長みたいに涙に声がつぶれて何も言えなかった。電話を握る手もかじかんで震えて、落としてもう拾えない。もう遅いから、拾う理由もない。怒りと悲しみの濁流に身を委ねて、私は従業員の休憩スペースから駆けだした。

 守るって、言ったじゃない――。


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