第一章 魔人族の国 八
おらはゴブリンのコルド。生まれは、魔人族の国『デビルノア』で約十年前にボブゴブリンの親父とゴブリンの母親から生まれた。近くの店を経営しながらごく一般的な生活を送っている。というのも数年前の話。
近くを通りかかった魔人の手によって見せしめのように家に親父や母親を惨殺された。当時は、凄くそいつのことを探しいつか殺してやろうと探し回ったりしたものだが、今はどうでもいい。
おらは、次々に来る敵をなぎ倒した。数年に渡って......。
ただのゴブリンだったおらは、いつしかゴブリンジェネラルとなった。主に剣を多用し、魔術は初歩的な火属性のファイアを使用すること出来ていた。
今日もいつものように身を隠しながら食べ物を食べていた。今日の獲物をどうしようかと選んでいると黒髪の両目黒色の男がこちらを見つけニヤリと笑ったのだ。自分の潜伏術は結構高い方だと思っていたのだが……しかし、その男は気に掛けることなく歩き続けた。この男は、予想だが強いだろう。だが、体系は小さいし筋肉も余りない。そして見た目が子供だった。だから、今日の獲物はこいつにすることにして追跡をすることにした。
子供は、入り組んだ路地を走り続ける。どうも子供はこちらに気づいたはいいが、おらを倒すことが出来ないんだろう。口から少量の涎が流れる。
今日は、御馳走だな。そう思いつつ、入り組んだ路地を抜けた。
そこには逃げる箇所がなく、おらが来た道しか出口がない。そして子供は怯えた様子でこちらを見る。
「もう逃げないのかぁ」
そういうゴブリンジェネラルは、こちらを見る子供に今から捕食するというアピールをしながら問いかける。
「……」
黙ってしまった子供に対して、ゴブリンジェネラルは話すことも出来ないほど怖いのかとさらに高揚した。襲ってしまおうと体から魔力を開放し解き放つ。
「ファイアーウォール」
後ろあった出口を炎で塞ぎ、腰にぶら下がる剣を掴み襲い掛かる。
子供は、何度も何度も剣を躱し攻撃をギリギリのところで回避する。しかし、着実に傷を負っているのは確かだ。ボロボロにながら致命傷を避けながら攻撃を躱す子供というのは沢山見たことがあった。人族のところで隠密で行動していた時、何回かそういうちょっと強い子供というのは出会い、躱すだけが精一杯で最後には敗れた。
だから、最後には俺が勝つんだと剣を強く握りしめ攻撃をし続ける。
次第に子供の体から汗とも言えない血が流れ落ち続ける。
ぽたぽたと流れる血でまともに子供は、ふらふらと揺れながらこちらを見ていた。
これで最後だなと思い、最後の攻撃を仕掛ける。
その瞬間、子供のふらふら態度が急変し、こちら駆け出した。擦れ擦れの攻撃をひらりと躱し、子供はこちらの耳音で何かを囁いた。
ゴブリンジェネラルは魂の抜けた抜け殻となり、片手に持つ剣で喉元へと突き刺したのであった。
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