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その24「兄妹②」

◇兄、幼馴染の家にて



幼馴染「どうしたのっ、そんなに慌てて!」


兄「あいつがっ、俺の妹が来ていないかっ!?」


幼馴染「き、来ていないけど」


兄「そうか、すまない、じゃあまた!」


幼馴染「ち、ちょっと待った! ストップストップ!」


兄「どうした…!」


幼馴染「ちゃんと説明してよ、何がどうしたの!」


兄「くっ……」


兄「……あいつが、家出した」





◇兄と幼馴染、兄先輩の家にて



兄先輩「残念だけど、うちにも来ていないよ」


幼馴染「そうなんですか……」


兄「くそっ、あいつ、熱があるってのにどこほっつき歩いてるんだっ!」


幼馴染「先輩さんは妹ちゃんと仲良いんですよね? どこか行きそうな場所とかわかりませんか?」


兄先輩「そうだねぇ…この前うちに買い物に来た時はお友達と二人で来ていたんだけど、その子の家はもう探しに行ったかな?」


兄「……あっ! もしかしてレンタルショップで会ったあの子か!」


幼馴染「わかるのね!」


兄「いや、でも、顔しか分からない……」


兄先輩「……私はあの子ともわりと仲良いから、家まで案内してあげるわ」


兄「せ、先輩……! 本当にありがとうございますっ!」


兄先輩「私も心配だからね、さあ行くよ!」





◇兄と幼馴染と兄先輩、妹友の家にて



妹友「ぜんっぜん知りませんでした! ちょっと今から電話してみます」


兄「……いや、無駄だ。あいつ携帯電話も持たずに出て行っちまったんだ」


幼馴染「他に当てはないかな!?」


妹友「あの子、友達あんまりいなくて、他の誰かの家っていうのは、ちょっと……」


兄先輩「……そっか」


兄「……」


幼馴染「ねぇお兄ちゃん、もう警察や学校には連絡してあるし、妹ちゃんも、もしかしたら家に帰ってるかもしれないから」


兄「……」


妹友「私、他の友達にも電話で聞いてみますね」


兄先輩「私も友人に妹さんのような子を見なかったか聞いてみよう」


兄「みんな、ありがとう」


妹友「あっ、これ私の連絡先です。なにかわかったら電話しますね」


兄先輩「それじゃあひとまず解散ということで。……妹さん、家に帰っているといいね」


兄「はい……」


幼馴染「じゃあお兄ちゃん、行こうか」


兄「ああ、なんだか天気まで悪くなってきた。急ごう」





◇兄と幼馴染、帰り道にて


幼馴染「そっか…。妹ちゃん、お母さんと同じ病気にかかっちゃったって思ったんだね」


兄「あいつの母は、いわゆる不治の病にかかっていたんだ。幼いあいつは看病しながらそれがどんな辛いことかをよく知っている。そして、その看病の大変さもな……」


幼馴染「……妹ちゃん」


兄「よりにもよってこんな寒い日に家出なんて…」


幼馴染「……お母さん、か」


兄「……」


幼馴染「……ねえ」


兄「ごめん、先に帰っていてくれ。ちょっと寄り道してくる」


幼馴染「…っ、うん、わかった!」







曇天の空、吐く息は白く、空気は痛いほど冷たい。


ああ、もう今にも雪が降りそうだ。

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